寄贈されたお地蔵さん。地蔵盆の際の飾り付けを施している(京都市中京区・市歴史資料館)

寄贈されたお地蔵さん。地蔵盆の際の飾り付けを施している(京都市中京区・市歴史資料館)

平成の地蔵盆の写真。各町の地蔵像がそれぞれの装いで飾られている

平成の地蔵盆の写真。各町の地蔵像がそれぞれの装いで飾られている

 夏に営まれる「京の地蔵盆」の今昔を伝える展示会が、京都市上京区の市歴史資料館で開かれている。江戸時代以降の史料のほか、飾り付けたお地蔵さんの実物や平成に活写された写真など約200点が並び、町ごとに異なりもある多彩な風物詩を紹介している。

 江戸期の展示品は「南無地蔵大菩薩(だいぼさつ)」と書いた旗や死者の名を記した幕など。地蔵盆は17世紀中頃から古文書に表れ、各町内で亡くなった人の供養や町内の祈とうの場でもあったことが分かる。

 明治維新後の「志水町式目帳」は京都府が地蔵祭祀(さいし)を禁止し、石仏などを売った代金を小学校に納めるよう求めた方針への対応を記す。明治4(1871)年10月の記録は、下京区の同町が相当額を納めた一方、地蔵像をひそかに保管した由縁を伝える。

 現代では、同館に寄贈された中京区高倉通御池下ルの亀甲屋町・東片町のお地蔵さんや、市内在住の写真家神谷潔さんが撮りためた作品を並べる。少子高齢化で継承が難しくなった地域の事情を反映する一方、写真に写る地蔵像の飾り付けは、8月下旬に続けられる伝統行事の豊かな地域色を感じさせる。

 入館無料。9月24日まで。月曜、祝休日は休み。