無料化された新十条通・山科インターチェンジ付近。通行量が伸びている(京都市山科区)

無料化された新十条通・山科インターチェンジ付近。通行量が伸びている(京都市山科区)

新十条通は伏見稲荷大社の近くにある

新十条通は伏見稲荷大社の近くにある

 昨年4月、京都市伏見区深草-山科区西野山間の新十条通(2・8キロ)が無料化された影響で、交通量が2倍以上に増えている。国道1号などの「幹線道路の渋滞緩和に効果が出ている」(京都市)という一方で、山科区側では通学路を通り抜ける車が増え、住民から不安の声も聞かれる。


 2008年6月、阪神高速8号京都線鴨川東インターチェンジ(IC)-山科IC間で開通。無料化以前は、普通車で260~460円の通行料がかかった。徐々に通行量は伸びていたものの、18年度の通行量は想定の3割ほどにとどまり、並行する幹線道路の渋滞緩和には、思うようにつながらなかった。


 このため、府や市が無料化を目指し、道路を保有する「日本高速道路保有・債務返済機構」と協議。府と市の出資金計226億円を実質的に放棄する形で市に移管され、昨年4月に無料化された。


 結果、18年度に1日平均約8400台だった通行量は、19年4~9月は約1万9千台に伸びた。市が想定している1日当たり2万台に近づきつつあり、市建設企画課は「並行する国道1号や三条通の渋滞も緩和傾向にある」としている。


 だが、山科区側では不安を抱える住民もいる。山科IC周辺の道路整備が進んだこともあり、住民によると、朝夕を中心に、狭い生活道路を抜け道にする車やトラックも増えている、という。


 地元住民らが府警に対策を要望し、今年4月までに、勧修小の通学路となる市道交差点に一時停止の道路表示と横断歩道が設置された。児童の見守り活動を行う男性(77)は「一時停止のルールを守る車は多いが、通り抜けが多いのは不安」と話す。


 山科IC付近では、国道1号につながる新大石道が新十条通と交差する。近くの男性(70)は「新十条通に向かう新大石道が渋滞し、地元の車が出にくい」と悩む。


 市は無料化に際し、山科区内の幹線道路で車線を増やしたり、新十条通を利用する車が生活道路に流入しないよう交差点付近の歩道を拡幅したりするなどの対策をとった。市建設企画課は「現況を確認しつつ、地元の声も聞いて対応していきたい」としている。