昨年のKARAー1グランプリ。激辛料理のブースが並んだ(2018年10月、向日市寺戸町・京都向日町競輪場)

昨年のKARAー1グランプリ。激辛料理のブースが並んだ(2018年10月、向日市寺戸町・京都向日町競輪場)

京都向日市激辛商店街のキャラ「からッキー」

京都向日市激辛商店街のキャラ「からッキー」

「中国料理 麒麟園」考案の冷やしレモンチャーシュー麺(向日市寺戸町)

「中国料理 麒麟園」考案の冷やしレモンチャーシュー麺(向日市寺戸町)

「麺処 楠」が提供しているホットキャロットラペヌードル(向日市寺戸町)

「麺処 楠」が提供しているホットキャロットラペヌードル(向日市寺戸町)

 「激辛商店街をやめます」-。京都向日市激辛商店街は10周年に合わせて、刺激的なキャッチコピーでイベントをしている。題して「京都向日市激スッぱ商店街」。酸っぱい限定メニューが各店で販売されている。

 イベントは、何度も訪れてくれたファンへの感謝の気持ちで「激辛に耐え抜いた胃腸をリフレッシュしてもらおうと企画した」(商店街事務局)。

 ラーメン店「麺処 楠」(京都府向日市寺戸町)では、酢とかんきつ類の果汁にニンジンのソースを合わせたサラダヌードルを提供する。パプリカなどが色鮮やかに盛り付けられ、酸味と野菜のうま味を感じる味付けに仕上げた。「中国料理 麒麟(きりん)園」(同)はレモンをたっぷり使った冷やしチャーシュー麺と酎ハイを販売。ほかにもレモンを器にしたおぼろ豆腐など、各店が多彩なメニューを出す。

 KARA-1グランプリが開催される20日まで実施する。事務局は「ぜひご賞味いただき、胃腸の調子を整えてKARA-1に参戦してほしい」と呼び掛けている。

 激辛商店街は、2009年7月に向日市内の飲食店約20店舗で結成した。「誰も取り組んでなくてインパクトがあるジャンルで向日市を知ってもらう」狙いだった。最初の試食会は激辛マニアから「辛いものがない」という辛(つら)い滑り出しだったものの、テレビや新聞に取り上げられ、徐々に人気を呼んだ。
 ファンを飽きさせないよう、次々と手を打った。公式キャラや着ぐるみ作成はもちろん、12年に始めた激辛グルメ日本一決定戦「KARA-1グランプリ」は毎年数万人が訪れるイベントに。厳しいお告げの「辛口おみくじ」や、辛さで眠気を飛ばして受験生を応援する「合格祈願ハバネロ飴」の販売、唐辛子を酒に入れた「金魚割り」の紹介など、多彩なアイデアでマンネリ化を阻止した。
 コンビニ各社や製パン会社など企業とのタイアップ商品は数知れない。加盟店も飲食店にとどまらず、「激辛料理で染みができたら駆け込んで」というクリーニング店を含め70店近くに増加。16年に経済産業省から表彰されるほどに成長した。
 大切にしてきたのは長期的な利益を重視した視点だ。会員の小売店と敵対関係になりがちな大型商業施設「イオンモール京都桂川」の加盟店依頼も受諾。ポスターが掲示され、イベント場所の提供を受けるなど共存共栄につなげた。激辛に興味を持った九州や北陸、東京の団体にも協力し、全国で激辛イベントが増加した。企業との共同事業も現在は「コラボフリー宣言」として無償で進める。「激辛業界が盛り上がれば、自分たちのPRにもなり、結果的に利益につながる」と考えた。
 事務局は「何より目立つことが大切。小さな分野でも1番になるまで続けることが重要」とする。向日市を「激辛の首都」と称する団体として、次は日本の首都・東京への進出を視野に入れる。