軍事演習や宿営の様子を記した資料

軍事演習や宿営の様子を記した資料

スペイン風邪に関する記述が見つかった寺戸区の古文書。「第二回流感(流行性感冒の略)予防注射…」と書かれている=向日市文化資料館

スペイン風邪に関する記述が見つかった寺戸区の古文書。「第二回流感(流行性感冒の略)予防注射…」と書かれている=向日市文化資料館

 100年前の大正時代に流行したスペイン風邪の予防接種が、京都府向日市内で実施されていたことが、市文化資料館(寺戸町)の調査で分かった。死者も出ており、休校措置がとられるなど、新型コロナウイルス同様に混乱が広がっていたことが明らかになった。明治時代後期からは、一帯が軍隊の演習や宿泊の場所になっていたことも判明。関連資料が資料館で展示されている。

 スペイン風邪の記述は、上植野区と寺戸区の区有文書から見つかった。当時は流行性感冒と呼ばれており、予防接種は「流行性感冒予防感作ワクチン」として、大正9(1920)年1月に両区で実施された。1人10銭で行われていたが、期間中に上植野区で2人が死亡し、向陽尋常小(現向陽小)は1週間休校となっていた。

 このほか、軍隊入営者に予防接種証書が送られていたことや、チフスや赤痢などの感染症も広がっており、施設消毒の記録も残っていた。

 また、1900年代初頭には、一帯で軍事演習が行われ、軍隊が30年間で27回宿泊していた。砲兵の演習で山野が振動した様子や、軍人を民家で受け入れるための「宿割」、提供した料理の献立も記されていた。

 資料館は「新たに明らかになった事実。地域の努力で記録が残されてきたからこそ、当時の様子や人々の暮らしが分かり、現代でも学ぶ機会につながった」としている。

 資料館で開催されている企画展「区有文書にみる地域と軍隊」で紹介されている。9月6日まで。8月30日午後2時から、館内で展示解説がある。要申し込み。同館(931)1182。