養殖棚から引き揚げてきたカキ。例年よりカキの量が少ないという(京都府京丹後市久美浜町)

養殖棚から引き揚げてきたカキ。例年よりカキの量が少ないという(京都府京丹後市久美浜町)

 京都府京丹後市の久美浜湾で養殖され、丹後の冬の味覚として人気のカキが今季は記録的な不漁に見舞われている。昨夏の猛暑や豪雨の影響とみられ、「出荷量は例年の1割程度」と嘆く養殖業者も。3月に延期されていた「久美浜カキ・魚まつり」も中止が決まった。

 同湾での養殖は波が穏やかな特徴を生かし約70年前から続く。例年は10月中旬からカキの引き揚げと出荷が始まるが、今季は粒が大きくならず12月初めにようやく始まった。

 府漁業協同組合湊支所カキ組合の和田卓也委員長(42)によると、夏の猛暑のほか、豪雨によって水面から2メートル近くまで真水となり、カキが死滅したり生育不良になった。成長したのは例年の半分程度で、さらに多数が商品化できなかったという。和田さんは「カキ養殖をやってきて初めての事態で、死活問題だ」と頭を抱える。

 久美浜湾のカキ養殖は2012年ごろから徐々に不漁が続いているが、カキ養殖業の村岡弘隆さん(36)は「何とか成長したカキは小ぶりだがぷりっとしていて味が濃いので、味わってほしい」と話している。

 久美浜カキ・魚まつりは毎年12月に同支所や地元観光協会らが開催し、焼きガキの振る舞いなどが人気だったが、今年はカキの生育不良により、延期の末に中止が決まった。

 不漁の原因について、府海洋センター(宮津市)は「夏場の高温と豪雨による淡水の影響、湾内の水質がきれいになり餌となる植物プランクトンが減ったことなどが重なったのではないか」と推察している。