「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」が上映される劇場前に列をつくる観客(9月6日、京都市中京区・MOVIX京都)

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」が上映される劇場前に列をつくる観客(9月6日、京都市中京区・MOVIX京都)

 京都市伏見区桃山町因幡のアニメ製作会社「京都アニメーション」(京アニ)第1スタジオが放火され、36人が死亡、33人が重軽傷を負った事件で、京都府警捜査本部は11日、入院先の病院で4日夜に亡くなった従業員の身元を伏見区の24歳女性と公表した。

 府警は5日、女性の死亡を明らかにしたが、遺族から実名公表についての意向を聴き取りできていないとして、氏名や住所の公表を控えていた。

 女性は、映画「響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」や、最新作映画の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝-永遠と自動手記人形-」で、スタッフやスケジュールを管理・調整する「制作マネージャー」を務めていた。 府警によると、女性は事件当時、第1スタジオ1階で仕事をしていた。正面玄関から建物の外に逃げたが、体の広範囲にやけどを負い、入院先の集中治療室(ICU)で治療を受けていた。 

 京アニ事件で京都府警捜査本部は従来なら速やかに行う実名公表を例外的に控えてきた。8月2日、遺族の了承が得られた犠牲者10人(うち1人の遺族は後に実名拒否)に限って氏名を公表。8月27日に犠牲者25人の氏名を公表、府警はメディアに犠牲者個別の実名匿名の遺族意向を伝えた。  

 公表のタイミングについて府警は「遺族の意向を丁寧に聴き取りつつ、葬儀の実施状況を考慮し、広報の方法とタイミングについて、慎重に検討を進めてきた」と説明してきた。

 事件は7月18日午前10時半ごろに発生。青葉真司容疑者(41)=殺人や現住建造物等放火などの疑いで逮捕状=が第1スタジオ1階でガソリンをまき、放火したとされ、建物内にいた20~60代の男女計69人が死傷した。青葉容疑者も全身にやけどを負い、大阪府内の病院で治療を受けている。