アーチェリーを構え、的を見据える神選手。競技では技術と体力だけでなく、強い精神力が要求される(湖南市中央1丁目・平和堂甲西中央店)

アーチェリーを構え、的を見据える神選手。競技では技術と体力だけでなく、強い精神力が要求される(湖南市中央1丁目・平和堂甲西中央店)

児童を指導する神選手。普及活動にも力を入れる

児童を指導する神選手。普及活動にも力を入れる

 アーチェリーの神省吾選手(25)=滋賀県甲賀市=が、湖南市のスーパーに自身で開設した屋内練習場を拠点に世界を目指している。近畿大在学中に全日本選手権や全日本学生個人選手権(インカレ)で優勝経験があり、6月の記録会では4年ぶりに自己ベストを出した。「技術が上がった手応えがある。メンタルを鍛え、日本記録を超えたい」と意気込む。

 照準器をのぞき、一瞬動きを止めた後、放たれた矢が的の中央に刺さった。神選手は同市の平和堂甲西中央店内にあるアーチェーリー場で一日1~2時間ひたすら打ち込み、技術と体力を養う。専門のコンパウンド部門では50メートル先の的に計72射を行い、筋力や持久力だけでなく精神力が試される。「普段から試合を意識して練習しています」と話した。


 大津商業高(大津市)で競技を始めた。「シドニー五輪代表コーチがいて、本気で取り組めると思った」と振り返る。初心者だったが、2年の進級後には頭角を現し、3年で高校総体(インターハイ)に出場した。

 近大でリカーブ(両端に反りがある弓)から扱い方が全く違うコンパウンド(両端に滑車がある弓)へ転向。「触れたことがなかったが将来、店を持つ時のためにやっておこうと考えた」。これがはまり、2、3年でインカレを連覇。3年では全日本ターゲット選手権も制覇した。

 持ち味は競り合いの強さ。全日本選手権はは予選3位から1対1の決勝トーナメントで勝ち進んだ。一方、国際大会の選考会では派遣基準に点数が届かず、「技術は到達しているはず。精神力を強くしたい」と課題を挙げる。

 持病だった血液疾患の手術をした影響から2~3年調子を落としたが、昨冬に一般企業を退職してアーチェリーに集中できる環境を整え、調子を上げてきた。720点満点の競技で、6月に694点の自己ベストを出し、日本記録まであと10点に迫った。

 競技活動の傍ら、高校時代に立ち上げたNPO法人の活動で、湖南市の屋内練習場で教室を開いて競技普及にも取り組む。「70代の方も参加していて生涯楽しめる。魅力を伝えたい」という。

 「新型コロナウイルスの影響で当分大会はないはず。長期的な視点でフォームを改造してコロナ終息後に世界一を目指す」と誓う。