生命活動に欠かせないエネルギーを産生する細胞の小器官「ミトコンドリア」がタンパク質を取り込む仕組みの一端を解明したと、京都産業大などのグループが発表した。ミトコンドリアの異常が原因となる病気の原因解明につながる可能性がある。英科学誌ネイチャーに11日掲載された。
 細胞の中にあるミトコンドリアは、ヒトをはじめとする真核生物の細胞内に存在し、酸素を使った呼吸でエネルギーを産生する。ミトコンドリアは、細胞内でできた千種のタンパク質を内部に取り込むが、タンパク質が通過する「ゲート」の構造は不明だった。
 生命科学部の遠藤斗志也教授らは、高精度の電子顕微鏡を使って、酵母のミトコンドリアの外膜にあるゲートのタンパク質の構造を解析した。その結果、直径と厚さがともに30~40オングストローム(オングストロームは100億分の1メートル)の円筒形が2~3個連なっている構造と判明した。さらに分析し、タンパク質の種類によって通過するゲートの部位が異なることも突きとめた。
 ミトコンドリアの構造は、酵母もヒトも共通しているという。遠藤教授は「細胞内におけるタンパク質の移動の仕組みを解明する大きな一歩」と話した。