今の時季、天頂近くの夜空にひときわ輝く星がこと座のベガ、七夕伝説の織り姫星だ。25日は旧暦の七夕。現在の暦だと七夕は梅雨の真っ最中だが、旧暦なら星がよく見える▼この星は将来、今の北極星の位置に移動し、全天の星が織り姫星を中心に回るようになる。もっとも1万2千年後の話だ。実際に星が動くのではなく、地球の向きが変わるために見え方が変わるのだ▼地球の自転軸は太陽や月の引力の影響で、長期的にこまの首振りのような回転運動をしており、2万6千年で一周する。そのころ、冬の王者オリオン座は夏の低い空の星座となり、今は日本から見えない南十字星が見えるようになる▼人類はどんな様子だろう。文明を発展させ、宇宙に移住しているだろうか。核戦争を起こして滅亡しているだろうか。生身の人間ではなく、人工知能が支配しているかもしれない▼1万2千年前にも同様の星空があった。それを見ていた縄文時代の人々は、1万年以上も自然と調和した文明を維持した。彼らが資源を使い尽くさなかったおかげで今の私たちがある▼星空を眺めて宇宙の大きさを実感すれば、自分の小ささが分かる。人間同士の争いや個人的な悩みも吹き飛ばしてくれる。今年は夏休みも短いが、親子で人類の行く末を語り合ってはいかが。