京都市の宿泊施設の新たなバイアフリー基準案

京都市の宿泊施設の新たなバイアフリー基準案

 京都市は20日、市内で新築される全宿泊施設に客室のバリアフリー化を義務付ける新基準について、具体案を明らかにした。宿泊施設の急増期に打ち出した方針だが、新型コロナウイルスの感染拡大で京都観光を取り巻く状況は一変している。市は「コロナ軽症者の受け入れなど宿泊施設の新たな可能性が見えた」として、予定通り来年度の導入を目指す。

 現行のバリアフリー基準は、ロビーや廊下など共用部を主な対象としている。来年度に導入予定の新基準では、客室の内部まで対象を拡大する。

 この日示した具体案では、通路幅80センチ以上や車椅子が転回できる直径120センチ以上のスペースの確保など、障害者や高齢者らがベッドまで円滑にたどり着ける導線の確保を求める。和室やドミトリーなど適用が難しい施設は、仮設スロープや介助する従業員の確保で代替する。

 こうした基準強化は東京都が昨年9月に始め、大阪府も今年9月から実施するが、いずれも延べ1千平方メートル以上の宿泊施設が対象。規模を問わず対象とするのは京都市が全国初で、違反者には罰則を設ける方針という。基準強化に伴う条例改正案を来年の2月議会に提案する予定。

 このほか市は、北大路通・東大路通・西大路通・十条通に囲まれた重点地区と、市が地域まちづくり組織の意向に応じて指定する地区について、宿泊施設の構想段階での住民説明を事業者に義務付ける。

 計画修正が可能な時点で住民と事業者が話し合う機会を設け、未然にトラブルを防ぐのが狙い。その他のエリアでも住民から求めがあれば、事業者は説明する義務が発生する。こうした規定を盛り込んだ要綱を新たに設ける。

 市は新基準の必要性などについて「コロナ禍で軽症者の受け入れや災害時の避難施設といった宿泊施設の新しい可能性が見えてきた。結果として抑制につながるかもしれないが、市としてはより良質な宿泊施設のストックをつくっていきたい」としている。

 新基準や構想段階の住民説明に対するパブリックコメントは9月10日~10月12日に実施される。