母校でもある龍谷大平安高での指導について語る原田監督(京都市伏見区・龍谷大平安ボールパーク)

母校でもある龍谷大平安高での指導について語る原田監督(京都市伏見区・龍谷大平安ボールパーク)

龍谷大平安高野球部を率いる原田英彦監督の指導法を紹介した本

龍谷大平安高野球部を率いる原田英彦監督の指導法を紹介した本

 龍谷大平安高硬式野球部を率いる原田英彦監督(60)の指導法を紹介する本がこのほど、出版された。母校でもある同高の監督となって28年目。甲子園に計18度出場し、全国制覇も果たした名将の情熱的なチームづくりが記されている。

 タイトルは「龍谷大平安・原田英彦のセオリー 愛の力で勝つための法則75」。スポーツジャーナリストの田尻賢誉氏が著した。今年5月で還暦を迎えた監督は「こういう年になって、次の世代のことも考えるようになった」と、経験を伝える意義を語る。

 内容は練習の工夫や部員との接し方など多岐にわたる。過度な筋力トレーニングは行わず、柔軟性や関節の可動域を高めるメニューに力を入れる。守備を重んじ、キャッチボールを基本中の基本と捉える。平安高を経て進んだ日本新薬で会社員生活も経験し「他校の監督と違った観点が持てていると思う」と自己分析する。

 思い出深いチームも取り上げている。1997年夏の甲子園は川口知哉投手(元オリックス)を擁して準優勝。2014年の選抜大会は高橋奎二投手(ヤクルト)らで頂点に立った。2年前の第100回全国高校選手権で同高として春夏通算甲子園100勝を挙げた。「あの年に100勝しなければ辞めるつもりで辞表を持ち歩いていた」と明かす。

 高校生の気質の変化にも言及する。「今の子は精神的な部分で成長が遅い。自分で考えて行動できない」と野球を通して自立した人間になることを目標に掲げる。監督自らが一番の平安ファンと公言。小学生時代から憧れの存在だった。会社員を辞め、低迷していたチームの監督を引き受けたのも母校への思いから。「平安のためにという使命感はずっと欠けていない」。ユニホームや応援曲までこだわり抜く。

 愛情があるからこそ選手には厳しい言葉で奮起を促す。一方で選手の努力が結実すると、涙を流して喜ぶ。近年は生徒との年齢差が広がり、「子どもたちがかわいくなっている」とほほえむ。今季の新型コロナウイルスの影響は大きく、ベテラン監督にも苦悩のシーズンとなった。「今の社会でスポーツや芸術、音楽がないがしろにされている。こういう時こそ、スポーツの力が心に入ってくるはず」と訴える。

 1650円。ベースボール・マガジン社。