京都市でパートナーシップ宣誓をしたカップルに発効される受領証とカード

京都市でパートナーシップ宣誓をしたカップルに発効される受領証とカード

 京都市が9月1日、性的少数者のカップルを公的に認証する「パートナーシップ宣誓制度」をスタートさせる。宣誓した2人には受領証とカードが交付され、市営住宅の入居などが可能になる。京都府と滋賀県では初めての制度導入に歓迎の声が上がる一方、婚姻と違って相続権などの法的効力はない。誰もが自分らしく生きられる社会へ、取り組みは始まったばかりだ。

 市の制度では、これまで親族に限定されていた市営住宅の入居申し込みがカップルでできるようになる。交付されるカードを提示すれば、パートナーが市立病院で医療を受ける時の病状の説明や手術の同意、里親の認定などで手続きがよりスムーズに進むと期待される。

 公的なパートナーシップ制度は2015年に東京都渋谷区、世田谷区で施行されてから全国に広がり、現在は50自治体以上が導入している。自治体単位で設けるため、内容や保証される権利には地域差がある。

 京都市の場合、対象者を「2人のうち片方が市在住で、性的少数者であれば利用できる」と規定した。戸籍上の同性カップルに限定する自治体もある中、トランスジェンダーなど戸籍上男女のカップルになり得るケースにも配慮した。法的保証を得るために養子縁組を結ぶ当事者も少なくないが、そうしたカップルの利用も認める。同居の有無も問わず、性の多様性に配慮して対象を広く設定した。

 ただ、パートナーシップ制度は相続権などの法的効力が発生しない。性的少数者に関する相談や研修事業を行うNPO法人QWRC(くぉーく)=大阪市=の桂木祥子理事は「制度でできることはごくわずかで、将来的には法的拘束力のある同性婚が必要」とした上で、「今は自治体が民間企業や医療機関と協力し、この制度の効力範囲を広めていく必要がある」と指摘する。

 京都市は今後、事業所のモデルケースになることも期待されるが、結婚や事実婚の職員は対象となる結婚休暇や扶養手当などの福利厚生は、パートナーシップ制度の場合は対象外となっている。既に対象としている自治体もあり、市は「先行都市の事例や事実婚との比較などを詳細に確認している」と検討を続ける方針だ。

 府内では本年度中に亀岡市も同制度を導入予定だが、転居などで宣誓した自治体を離れると制度を活用できないという課題もある。桂木理事は「大阪府のように京都府が府全体で制度を導入するなど、各自治体でも連携し、多くの人に制度が行き届くようにしてほしい」と期待する。