飲食店に置かれた山下諄君の写真を見つめる誠さんと康子さん。愛用していた毛布やクッションは洗わずに置いているという(栗東市御園)

飲食店に置かれた山下諄君の写真を見つめる誠さんと康子さん。愛用していた毛布やクッションは洗わずに置いているという(栗東市御園)

地蔵建立への寄付を呼び掛けるチラシを手にする伊藤さん

地蔵建立への寄付を呼び掛けるチラシを手にする伊藤さん

 滋賀県栗東市御園で5月、金勝小3年山下諄(しゅん)君=当時(8)=が死亡した交通事故を受け、遺族の友人らが現場近くに地蔵を建立する計画を進め、寄付金を募っている。コロナ禍の休校中に起きた痛ましい事故の風化を防ぐためといい、遺族や関係者は「地域の安全を見守ってもらいたい」と願う。

 事故は5月20日昼に発生。諄君は横断歩道を横断中にダンプカーにはねられた。運転手(41)は自動車運転処罰法違反(過失致死)容疑で7月、滋賀県警草津署に書類送検された。


 地蔵建立の発起人は伊藤恵理さん(35)。諄君の母康子さん(43)の友人で、金勝小に通う長男は諄君の友達だった。悲しい事故の風化を防ぐ手だてになればと、7月中旬から地蔵建立のための寄付への協力を知人らに呼び掛けてきた。伊藤さんは「子どもたちもショックを受けた。手を合わせたり献花したりする対象ができることで諄君を悼み、皆が交通安全に気をつけようと思えるようにしたい」と話す。


 地蔵は宮城県の業者に制作を依頼し、事故現場近くで康子さんが営む飲食店敷地内に年内にも設置する予定。雨よけの上屋も設ける。寄付金はこれまで計約150人から約60万円集まった。小遣いから払ってくれた児童もいたという。


 遺族によると、諄君は学校が終わると康子さんの店で過ごし、料理の上げ下げや簡単な注文の聞き取りなどを手伝い、客にかわいがられていたという。最愛の息子を突然奪われた康子さんは「皆さんがお地蔵から諄を思い出すだろう。いろいろな人の思いを受け止める存在になれば」と願いを込める。父の誠さん(52)は「地域を優しく見守るお地蔵になってほしい」と語る。