火の粉を散らしながら燃え上がる大松明(京都府南丹市日吉町中世木・普門院)

火の粉を散らしながら燃え上がる大松明(京都府南丹市日吉町中世木・普門院)

 晩夏の夜空を炎で彩る伝統行事が24日夜、京都府南丹市内で営まれた。新型コロナウイルスの影響で規模を縮小しながら、火がともされた。住民たちは燃えさかるたいまつを静かに見つめ、無病息災を祈った。

 同市日吉町中世木の普門院では、府登録無形民俗文化財の「牧山の松明(たいまつ)」があった。近年、牧山地区は3世帯6人となったが、近隣住民らと協力しながら祭りを準備し、伝統を守り継いでいる。今年は参加者を地元のみにした。

 午後7時ごろ、高さ約4メートルある3本のたいまつに火を付けると、パチパチと火の粉を散らしながら勢いよく燃え上がり、夜空を明るく彩った。牧山大松明保存会の中川輝男会長(83)は「中止は簡単だが、伝統が途切れかねない。今年だからこそ、たいまつに火を付けることに意義がある」と力を込めた。

 同市美山町芦生では、京都府登録無形民俗文化財の「芦生の松上げ」が行われた。町内4地区のうち、今年は同地区のみが営んだ。

 例年の3分の1程度の高さ約7メートルの柱「灯籠木(とろぎ)」を由良川の河原に設置。先端の火受け「かさ」に放物線を描きながらたいまつが投げ入れられ、火が付くと住民から拍手や歓声が上がった。登尾智区長(32)は「伝統行事を絶やさず行えて安心した」と胸をなで下ろした。