情報理工学部の移転が発表された立命館大びわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市野路東1丁目)

情報理工学部の移転が発表された立命館大びわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市野路東1丁目)

 立命館大びわこ・くさつキャンパス(BKC)から情報理工学部などが移転することが発表され、地元の滋賀県草津市に波紋が広がっている。5年前には経営学部も転出しており、相次ぐ学生の流出に同市は危機感を強める。学部の移転は文部科学省など公的機関への申請は不要で大学の裁量に任されているが、橋川渉市長は25日、「移転は唐突な一方的な話で驚いている。多大な社会的、経済的な影響があり、受け入れがたい」と異例の声明を発表した。

 BKCには2015年度の経営学部移転前は1万8千人の学生がいたが、大阪府茨木市への移転に伴い約3700人が流出。今回発表された情報理工学部の転出でさらに約2400人が移ることになり、移転後は1万3千人になる見込みという。

 草津市内で学生マンション管理会社を経営する男性(63)によると、経営学部移転時、管理する2千戸のうち約300戸が空き室となり、家賃相場が月約1万円下落した地域もあったという。「回復に3年かかった。今回の情報理工学部移転も打撃は大きいだろう」と不安視する。

 草津市の担当者は「賃貸マンションの空き室増加や学生アルバイト減少が予想され、地域経済へのマイナスは避けられない」とみる。

 経営学部移転の端緒となった大阪いばらきキャンパス建設発表時の10年秋以降、市と滋賀県は地域経済への影響の最小化や連携強化のため学校法人立命館側と3者で2年間協議を重ねた。市はBKCに新学部設置を求め、18年度に食マネジメント学部が誕生した。

 BKCの在り方について、立命館の森島朋三理事長はこの日の会見で「今後検討する」と述べるにとどめ、「(移転は)滋賀県や草津市には事前に説明し、ご理解いただいていると認識している」と語った。

 一方、市は今後、前回同様の3者協議開催を働き掛け、移転の影響を最小限度にとどめたいとしている。橋川市長は「今後、滋賀県と共同で、新しい学部の設置などを要望したい」とコメントを出した。