京都市立芸術大の銘板(京都市西京区、上)と京都芸術大学の銘板(京都市左京区)

京都市立芸術大の銘板(京都市西京区、上)と京都芸術大学の銘板(京都市左京区)

 京都造形芸術大(京都市左京区)から校名変更した「京都芸術大」を運営する学校法人瓜生山学園(同区)を相手取り、「京都市立芸術大」(西京区)が名称の使用差し止めを求めた訴訟の判決が27日、大阪地裁で言い渡される。昨年9月の提訴後、公判では双方の主張は平行線をたどっており、司法判断に注目が集まる。

■略称の表示が鍵 混同有無で対立

 京都造形芸術大は2021年の開学30周年を控え、校名変更を決定。文部科学省に申請し、昨年8月27日に受理された。この変更に対し、1969年から現在の名称を使用している市立芸大側は「名称が酷似しており、大きな混乱を招く」と反発。類似表示の使用を禁じた不正競争防止法に違反すると主張している。

 公判では、市立芸大の知名度が争点の一つとなった。市立芸大は世界的に活躍する芸術家を輩出していることや、市立芸大を「京都芸術大学」「京都芸大」などの略称を用いて取り上げた展覧会の図録やチラシなどが数多くあることなどから、「少なくとも京都市域や京都府近隣府県、さらには全国、全世界において著名であることは誰の目にも明らか」とする。

 一方の京都芸術大側は市立芸大が提出した証拠の大半が展覧会やコンサートの案内である点に着目。芸術に関心がなければ一般の人がこれらを目にすることはないとし、「著名性は到底認められない」と反論する。略称についても「正式名称に著名性が認められない以上、略称が著名となる余地はない」とする。

 公判ではまた、「京都市立芸術大学」という名前を見聞きした時にどの文言で市立芸大だと判別するかや、京都芸術大とどれだけ似ているかを巡っても意見が対立した。

 市立芸大は全国の芸術系大学と識別するには「京都」と「芸術」という二つの構成要素は欠かせないとした上で、京都芸術大が「類似しているのは明らか」と訴える。京都芸術大への名称変更が行われた今年4月以降、授業に関する間違い電話やメールが寄せられているといい、「混同・混乱が深刻化している」とする。

 これに対し、京都芸術大側は、大学名は通常、地名や扱う学術分野、設置主体などの組み合わせで構成されると主張。「市立」や「県立」の有無で識別されるケースは国内で数多くあるとした上で、「受験生やその保護者は教育内容および学費を慎重に検討するのが常で、混同が生じることなどあり得ない」としている。