新市街地外周道路(手前)の西に広がるあらすいも畑などの農地=城陽市

新市街地外周道路(手前)の西に広がるあらすいも畑などの農地=城陽市

 京都府城陽市の城陽ジャンクション・インターチェンジ(JCT・IC)北の「新市街地」(同市久世・寺田)に進出した企業などが、周辺農地の地権者に土地の賃借や売却を求める動きが出てきている。事業所や店舗の立地区画を囲む外周道路が整備され、道路に面する農地の転用が法的に可能となったためだ。一帯は、特産のサツマイモ「あらすいも」の産地。営農を続けたい農家や市農業委員会が危機感を深めている。

 農地法では、▽水道管やガス管が埋設されている道路に面し、かつ約500メートル以内に公共施設が二つ以上ある▽駅やICが約300メートル以内にある-といった条件のいずれかを満たし、農用地区域に含まれない農地は、都道府県知事が転用を原則許可する「第3種農地」となる。

 新名神高速道路と京奈和自動車道が接続する同JCT・IC北の国道24号沿いでは、市が新市街地(19・8ヘクタール)の整備を進め、外周道路に面する農地が第3種農地となった。国道24号の東側では、すでに農地が売却され、駐車場に変わった場所もある。農業委事務局によると、他にも転用の打診を受けた地権者がおり、検討中の人もいるという。

 主に新市街地西側は、木津川が運んだ砂が堆積する荒州で、江戸時代からあらすいもの栽培が続いてきた。だが、市内の栽培面積はこれまでの新市街地整備で20ヘクタールから15ヘクタールに減った。地元の農家は、農地のさらなる転用や栽培環境への影響を懸念する。

 祖父の代から栽培する谷久男さん(77)=同市寺田=は「土地を売ったり貸したりしたい人がいるのは仕方ないが、農業を続ける人のためのルールづくりが必要だ」と訴える。仮に隣接地が駐車場になれば「夜間もイモに照明が当たり、生育に影響する。まいた水が車にかかったと言われるようなトラブルもあるかもしれない」と懸念する。

 農業委員会は、無秩序な転用が進まないよう、市に方策を求める意見書を昨年11月に提出した。農業委事務局は「法律がある以上、『転用しないで』とは言いにくい」としながらも、農地としての貸し借りや売買を仲立ちする農業委の「農地バンク」への登録を、地権者に求めていく。