京都市に大量に届けられた「アベノマスク」。今後の使い道が課題となる

京都市に大量に届けられた「アベノマスク」。今後の使い道が課題となる

 政府支給の布マスクが、医療物資の寄付を受け付ける京都市に9千枚以上、届けられている。企業団体が各家庭から回収して寄付するケースが多く、市は「マスク不足に備えたい」と感謝する一方、医療機関では使えないため、配布の希望がどれだけ出るかは不透明。京都市は学校への提供を探るが、活用方法に課題が残りそうだ。

 マスクは政府が1セット2枚で配布し、市内には5月中旬以降に届いた。京都市は「家庭で使うという配布趣旨を踏まえ、積極的に寄付は呼び掛けていない」としつつ、「善意は拒否できない」として、受け付けている。

 5月下旬から届き始め、今月21日現在、9389枚が寄付された。京都、大阪、兵庫の3府県でスーパー銭湯を展開する「メゾネット」(中京区)は6月30日までマスク持参者に入浴料を無料にする企画を行い、市に約6800枚を寄付した。広報担当者は「予想以上の多さに驚いている。お客様の善意を役立ててほしい」と願う。

 他には保育園や企業、ボランティア団体が保護者や従業員、会員から集めて寄付するケースが多い、という。

 問題は使い道だ。医療機関には機能面に劣る布マスクは送れず、福祉施設にも不織布マスクを配布しており、現在は市役所内に積み上げられている。市は「布マスクの使い勝手が悪い訳ではなく、不織布の方が備蓄数が多いため」と説明。今後は、布マスクの「小ささ」を生かし、子ども用として学校への配布を検討している、という。

 京都府には約300枚が届いた。大半が個人からの持ち込みか郵送という。すでに福祉施設への提供を始め、「不織布マスクと一緒に送っている」。回収コーナーを設ける八幡市には約380枚、京田辺市にも約70枚が寄付された。府市とも「再びマスク不足になる恐れもあり、備蓄できるのはありがたい」と口をそろえる。

 品薄状態が解消されてから自宅に届いたアベノマスク。大量の寄付は善意の輪の広がりとともに、不要になった市民の多さを示しているとも言える。260億円という多額の税金に見合う効果を出すためにも、有効活用が望まれる。