定時制や通信制の生徒への支援について語る今井紀明さん(大津市中央2丁目・市中央市民センター)[LF]

定時制や通信制の生徒への支援について語る今井紀明さん(大津市中央2丁目・市中央市民センター)[LF]

 京都、大阪などで定時制や通信制高校の生徒を支援しているNPO法人「D×P(ディーピー)」(大阪市)理事長の今井紀明さん(33)が9日、大津市の中央市民センターで講演した。不登校や引きこもり経験のある生徒について「一人一人が可能性の塊だ」と語り、支援の重要性を訴えた。

 2004年のイラク日本人人質事件で武装勢力に拉致された今井さんは、解放後「自己責任」を問われて激しいバッシングを受けた。講演では、当時の状況について「対人恐怖症になり引きこもった」と振り返り、周囲の支えで立ち直った後、同じ悩みを抱える若者の力になろうと現在の活動を始めたと語った。

 「D×P」は関西を中心に約20校で、社会人ボランティアが対人関係の苦手な生徒と対話したり、就職支援をしたりしている。今井さんは「過去に周囲から否定され、大人への信頼を失った子が多い。つながりを生むことが大切だ」と訴えかけた。

 また、プログラミングが得意でIT企業に就職するなど、才能あふれる生徒が少なくないといい、「適切な場所にたどりつけば、誰もが力を発揮できる」と強調した。

 講演は大津市中央学区の市民でつくる学区人権・生涯学習推進協議会が主催し、約30人が耳を傾けた。