席数を半分に減らし、テーブルの間隔を2メートル以上開けるなど3密対策を取った宴会場(滋賀県守山市守山1丁目・料亭「魚和」)

席数を半分に減らし、テーブルの間隔を2メートル以上開けるなど3密対策を取った宴会場(滋賀県守山市守山1丁目・料亭「魚和」)

 滋賀県守山市が、8月から始めた新型コロナウイルス感染防止と市内飲食店の利用促進を兼ねた支援事業が低調だ。市が求める3密対策を講じた登録飲食店で食事代が10~20%差し引かれるお得な制度だが、利用件数は50件余りにとどまる。登録条件が厳格で参加店舗が伸びないことに加え、感染再拡大というタイミングも悪影響を与えているようだ。

 同事業は5~20人未満の客が1万円以上使えば食事代金から10%、20人以上なら20%が割り引かれる。20人以上の利用では最大5万円が得になる。

 市内中心地にある料亭「魚和」は登録店の一つ。コロナ禍で4~7月の売り上げは前年比6~9割減に落ち込んだ。オーナーの宇野菜保子さん(60)は市の独自支援を「店の負担は一切なく販促できる」と感謝する。割引対象の利用は3件あり、来月も大型宴会を含む6件の予約が入る。

 ただ、市内全体の利用状況は伸び悩む。登録店舗は25日時点で25店と当初想定(200店)の1割強で、利用件数も計55件35万円で、コロナ対策で積んだ助成総額(6550万円)のうち予算消化分は1%に満たない。

 背景には、市が登録店に求める3密対策が厳しいとの声がある。特に「宴会場か、店全体の利用席数を半分に」との登録条件について、商工関係者は「市基準に従って客席を減らせば逆に売り上げが減る店舗も出る。宴会場を備えた大型店しか対応できない」と指摘する。また、政府の緊急事態宣言解除後に上向きかけた会社員らの客足も感染再拡大で遠ざかる傾向にある。

 市商工観光課は「3密対策が取り組みの趣旨。基準の緩和はできない」とした上で「登録店から『安心安全な店という証しが得られた』との声を聞く。客側も安心を求めており、参加メリットはある」と登録・利用を呼び掛けている。10月末まで実施予定。