滋賀県立安土城考古博物館(近江八幡市安土町下豊浦)

滋賀県立安土城考古博物館(近江八幡市安土町下豊浦)

 滋賀県近江八幡市の長命寺など滋賀県内3寺院が所有し、県立安土城考古博物館が収蔵する掛け軸や経典など160点に白カビが発生していたことが26日までに分かった。同市指定文化財の絵画も3点あった。昨年7月にカビが見つかったが、同館と県、市は「所有者が非公表を希望しているため」として公表していなかった。

 160点は約10~20年前に3寺院から寄託され、収蔵庫で保管し、多くは木箱に入れていた。昨年、市職員が収蔵品の写真撮影に訪れた際に、カビの発生が分かった。市指定文化財のうち2点の絵画は小さなカビが点状に付着し、1点は菌糸が確認された。このほか画面の7割がカビに覆われ、かすんだような絵もあった。

 同館は業者に委託して月に1回、収蔵庫内の菌の量を確認するモニタリング作業を行っていたが、数値上は問題がなかった。ただ約3万点の収蔵品があり、目視による点検はできていなかったという。同館は3寺院に謝罪した。

 同館は「カビ発生の公表について、いずれも拒まれたため公にしなかった。理由は聞いていない」という。

 専門業者に委託してカビの除去作業を行い、年内に全て原状回復できる見込み。作業委託費約200万円は、同館を指定管理する県文化財保護協会(大津市)が負担する。

 辻井弘子館長は「大変貴重な文化財にカビを発生させてしまい申し訳ない。今後、目視確認を増やし、再発防止に努めたい」と話している。