経ケ岬通信所の在日米軍最上部の指揮組織の司令官ダルトン大佐(左から2人目)=京都府京丹後市峰山町・市役所

経ケ岬通信所の在日米軍最上部の指揮組織の司令官ダルトン大佐(左から2人目)=京都府京丹後市峰山町・市役所

 米軍経ケ岬通信所(京都府京丹後市)で発生した新型コロナウイルスの集団感染は、最初の陽性確認から27日で1カ月が経過した。軍人・軍属ら13人に感染が広がったが、市民への影響は同居人ら2人にとどまり、19日までに日本人従業員を含む基地関係者ほぼ全員の陰性が確認された。一方で、府や市が陽性者の行動履歴の開示を再三求めるなど米軍と日本側の保健当局間の情報共有にも課題があった。

 通信所を巡っては、7月26日に初めての陽性確認以降、8月13日までに関係者15人に拡大した。同基地の勤務者数は防衛上明かされていないが、防衛省によると、最大で軍人20人、軍属140人体制。初の感染確認を受け、米軍は即座にキャンプ座間(神奈川県)から医療チームを派遣し、7月29日に軍人全員のPCR検査を実施、8月から濃厚接触者の軍属の検査を始めた。

 一方で、検疫体制が府丹後保健所と米軍の医療班に分かれていることは、市民にとって情報が錯綜する一因にもなった。保健所の検査結果は翌日までに発表されるが、米軍側の発表はフェイスブック上で行われ、陽性確認から最大で5日後のケースもあった。開示される情報量も乏しく、府や市は感染者の行動履歴や濃厚接触者などの情報の開示を再三要求した。他府県でも同様で、京都や沖縄など米軍基地がある15都道府県でつくる渉外知事会も19日、外務、防衛両省を通じて迅速な情報提供や原因究明を求めていた。

 26日に実現した面会で、通信所の上部組織の司令官マシュー・ダルトン大佐は情報開示を求める市に「安全にコミットする」「情報を共有する」と答えたという。中山泰市長は直後の会見で、「米国の統制が働く地域を入れ込みながら安全安心を確保するというのは基地立地の最初からの課題。今回のようにさらなる課題が露見し、(関係機関が)課題に向き合う体制を作るという上で一定の前進があった」と述べた。