買い物客はもとより地域経済にとって衝撃だろう。

 小売り大手セブン&アイ・ホールディングスが、グループ各社の大規模なリストラ策を発表した。

 大津市の西武大津店を来年8月末で閉店するのをはじめ、百貨店のそごう・西武が7店を閉鎖・縮小する。スーパーのイトーヨーカ堂も33店を閉店や他社への譲渡など整理対象とし、2社合わせて全体の2割に当たる約3千人を削減するとした。

 売り上げ低迷が続き、採算性の改善が困難と判断したという。

 対象店舗は、地方都市の顔ともいえる店が並ぶ。人口減少や客層の高齢化に加え、インターネット通販などの攻勢にもさらされる地域商業の厳しさを改めて浮き彫りにしたといえよう。

 セブン&アイの井阪隆一社長が説明したリストラの狙いは、地方、郊外店にある。

 閉店する百貨店は、西武の大津と岡崎(愛知)、そごうの徳島、西神(兵庫)、川口(埼玉)の各店で、西武の秋田、福井両店は店舗面積を減らす。

 セブン&アイの業績は今年8月中間決算の最終利益が過去最高と好調だ。ただ、中身は堅調なコンビニが支える構造で、本業のもうけである営業利益が百貨店は赤字、スーパーは前年中間比25%減と足を引っ張る状況にあった。

 中でも採算が厳しい地方店に大なたを振るい、地盤の首都圏を中心に店舗を集約して「稼ぐ力」を強めようということだろう。

 食品から衣料、日用品まで扱う百貨店や総合スーパーは、バブル崩壊後にユニクロなど価格帯の低い専門店の台頭で販売低迷に陥った。各社はこれまでも不振店整理を繰り返してきたが、品ぞろえや利便性に勝るネット通販との競争も重なって苦境が続いている。

 特に地方は少子高齢化で客足が細り、大都市部のように訪日客増加の恩恵も望みにくい。地元資本の店舗を含めて全国で閉店に歯止めがかからない状況だ。

 地域経済にとって大型店撤退の影響は小さくない。

 西武大津店も大津初の百貨店として40年以上親しまれてきた。だが、近隣やJR京都駅周辺に競合する商業施設進出が相次いだ影響で、昨年度の売り上げはピーク時の3割まで落ち込んでいたという。

 近くの大津パルコに続く撤退で、商業中心地のにぎわい低下が心配だ。地域の文化、交流拠点の役割など、まちづくりの観点からも今後の活用を工夫してほしい。