桂川の河川敷で保護した野犬(京都動物愛護センター提供)

桂川の河川敷で保護した野犬(京都動物愛護センター提供)

桂川河川敷の茂み近くに散乱したパンのくず。野犬に与えた餌とみられる(京都市西京区・市医療衛生センター提供)

桂川河川敷の茂み近くに散乱したパンのくず。野犬に与えた餌とみられる(京都市西京区・市医療衛生センター提供)

 昨年春、京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に相次いだ京都市右京・西京両区にまたがる桂川河川敷での野犬の目撃情報について、今年も「遭遇した」との声が寄せられている。府と市は連携して巡回や捕獲を進めているが、野犬の数は減っておらず、担当者は「いたちごっこのような状況」だと頭を悩ませている。

■餌をやりに来る人が増えた?

 6月下旬の夜、右京区の会社員男性(40)は日課のランニングで松尾橋上流左岸付近を通りがかったところ、野犬に追いかけられた。大声で威嚇するなどして、その場は何とか逃げ切ったものの「すごく恐怖を感じた」と振り返る。「野犬を見かける機会は減ったと感じていたが、最近また増えたように思う」

 捕獲用の檻(おり)を設置している市医療衛生センターによると、昨年の報道以降、河川敷のパトロールで餌の残骸が見つかるケースが「以前より増えた」という。担当職員は「報道で広く知れ渡ったことで、かえって『かわいそうだ』と餌をやりに来る人が増えたのでは」と推測する。

 野犬の保護を担当する京都動物愛護センター(南区)によると、昨年4月~今年7月、桂川の河川敷付近で捕獲したのは40匹に上り、うち子犬は29匹だった。近年は餌を食べた成犬の健康状態が良いため、子犬の出生数も増加する傾向が続いている、とみる。

 保護した犬の一部は、引き取り手が見つかり譲渡されている。一方で、攻撃的になってしまった犬は飼うのが難しく、17匹は殺処分となった。担当者は「餌をあげることで、一時的に命をつなぐことはできるかもしれないが、最終的には殺処分という不幸な結果を招きかねない」と指摘する。