大阪地裁

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 京都造形芸術大から校名変更した「京都芸術大学」(京都市左京区)を運営する学校法人瓜生山学園に対し、京都市立芸術大(西京区)が名称の使用差し止めを求めた訴訟の判決が27日、大阪地裁であり、杉浦正樹裁判長は市立芸大側の訴えを退けた。瓜生山学園側が「京都芸術大学」を使用することが法廷で認められた。

 京都造形芸術大は2021年の開学30周年を前に、校名を「京都芸術大学」にすることを決定。2019年8月27日に文部科学省が受理し、2020年4月から校名を変更していた。

 これに対し、1880年に開学した日本初の公立の絵画専門学校を前身とし、1969年から現名称を使う京都市立芸大は、既に市立芸大の略称として「京芸」などが定着していると主張し、「大きな混乱を招く」と反対。2019年9月に使用差し止めを求め、大阪地裁に提訴していた。

 裁判では、京都市立芸術大や、略称「京都芸術大」「京芸」などの知名度が争点の一つとなっていた。市立芸大側は「京都芸術大学」などの略称を用いたチラシや展覧会図録が多数有ることから「全国、世界的にも有名」と主張し、瓜生山学園側は「芸術に関心がなければ、一般の人は目にすることがない」と反論していた。

 判決文によると、「著名な商品表示」とは、芸術分野に関心を持つ者に限らず、全国的かつ一般的に知られている必要があるとした上で、京都市立芸術大学側が「著名」と主張する「京都市立芸術大」や「京都芸大」「京芸」などの名称や略称は、「著名」とは言えないとした。

 「京都市立芸術大」と「京都芸術大」を誤認する恐れがあるかどうかも争点の一つだった。

 判決文は、京都市立芸術大を示す時の名称として、地図や市の広報、メディアなどでは「京都市立芸術大」が最も広く使われている一方、「京都芸術大」「京芸」などの略称については、さまざまな略称が混在していること自体「通用力が低い」と指摘した。
 
 また、受験生や保護者、芸術に関心のある人は、「京都市立芸術大」と「京都芸術大」が併存した場合、「市立」を特徴的な部分と捉えるため、類似のものとして受け取る恐れがあるとはいえない、などとした。

 学校名を巡る裁判は、青山学院大学(東京都渋谷区)を運営する学校法人青山学院が、広島県呉市青山町に2000年4月に開校した「呉青山学院中学校」を運営する学校法人に対し、名称の使用差し止めを求めた訴訟がある。東京地裁は2001年7月、「『青山学院』という名称は著名になっており、『呉青山学院中学校』という名称は、青山学院と関連がある学校だという観念を想起する」などとして、青山学院の訴えを認め、「呉青山」側に名称の使用差し止めを命じた。