京都府南丹市園部町の住宅街に出没したサル(石垣陸太さん撮影の動画より)

京都府南丹市園部町の住宅街に出没したサル(石垣陸太さん撮影の動画より)

南丹市園部町に出没しているサルに食い荒らされたトウモロコシ(同市提供)

南丹市園部町に出没しているサルに食い荒らされたトウモロコシ(同市提供)

 京都府南丹市園部町の住宅街にサルが出没し、住民を威嚇したり、家庭菜園を食い荒らしたりして、一帯を不安にさせている。例年6~7月に1件前後の通報があるが、今年は8月下旬までに40件の情報が寄せられる事態となっている。神出鬼没な上に、子どもが多い住宅街にはおりの設置が難しく、現状では通報のたびに追い払うのが精いっぱいだ。

 6月下旬、園部第二小に近い同町小山東町の閑静な住宅街。「こっち見てる」。庭先のサルと視線が合うと、玄関の住民に向かって一瞬のうちに迫ってくる。慌ててドアを閉めるまでの一連の映像からは、サルのどう猛さが伝わってくる。

 「人間を怖がっていない。こちらが怖かった」。動画を撮影した京都医療科学大准教授の石垣陸太さん(45)は振り返る。住み始めて10年以上で初めての遭遇という。近所では家庭菜園のトウモロコシが食べられた。「目が合うと、牙をむいてくる。(住民のけがなど)何か起きるのではないか」と心配する。

 市農山村振興課によると、6月10日に同市八木町で報告があって以降、同市園部町の小山西町や小桜町など住宅が多い場所に現れている。目撃されているのは3歳くらいの同一のオスで、6月上旬に亀岡市にいた個体が移ってきたと考えられるという。

 例年は真夏には姿を見せなくなるが、今年は8月以降も目撃が相次ぐ。野菜を栽培する家が多いことに味をしめて転々としている可能性があるようだ。今のところ人的被害はないが、買い物袋を狙われた人もいる。同課は通報を受けて出動するが、捕獲は難しく、模造銃で怖がらせて追い払うなどしている。

 出合ったらどうすればよいのか。サルに詳しい兵庫県のNPO法人里地里山問題研究所の鈴木克哉代表理事は「背中を見せずに距離を取り、刺激しないのが大事」と指摘する。

 珍しがって餌をやるのは厳禁だ。同課の片山正人課長は「居着いてしまうので、絶対にしないで」と求める。

 いつまで出没するかは見通せない。石垣さんは「凶暴で対応しようがない。子どもに注意を促すなど、住民側が気を付けるしかない」と話す。