サイクリストの休憩施設を備えた道の駅の整備が検討されているみさき自然公園(滋賀県守山市今浜町)

サイクリストの休憩施設を備えた道の駅の整備が検討されているみさき自然公園(滋賀県守山市今浜町)

道の駅構想がある第2なぎさ公園とみさき自然公園

道の駅構想がある第2なぎさ公園とみさき自然公園

 琵琶湖を自転車で一周する「ビワイチ」の発着点を掲げる滋賀県守山市が検討を進めるサイクリストの休憩施設を備えた道の駅整備構想に向かい風が吹いている。長年「ビワイチ観光」をPRしてきた市が発信力向上や地域活性化を狙った肝いり事業だが、新型コロナウイルス感染の影響で、参画に意欲を示していた事業者が二の足を踏み始めたためだ。

 道の駅構想が持ち上がっているのは、野洲市境近くにある県の第2なぎさ公園(8・6ヘクタール)と、市みさき自然公園(8・3ヘクタール)。周辺には、琵琶湖マリオットホテルにある「ジャイアントストアびわ湖守山」、スーパー銭湯を備えた商業施設「ピエリ守山」があり、観光客増加などの相乗効果も見込む。

 構想では市が駐車場とトイレなどを整備して、それ以外は民間資金やノウハウを活用する「Park-PFI」を使う方針。これまで市は民間事業者のニーズなどを探るサウンディング調査を2回実施し、集まった意見や課題を今年3月に公表した。この中で、道の駅のほかにカフェ・レストランや温浴施設、グランピング施設、自転車競技場整備など多彩な案が出た。

 自転車で年間12回以上ビワイチを走破する大津市の男性会社員(60)は「愛好家の間では、北湖一周をビワイチと呼ぶので、守山市の新たな道の駅は発着点にふさわしい。出発前は補給食や必要備品を買える売店、ゴール後は疲れた体を癒やす施設があれば申し分ない」と期待する。

 しかし、コロナ禍で事業化が見通せなくなってきた。市関係者によると「当初は6月議会で市長が事業化を表明予定だったが、延期になった。コロナ禍で道の駅などやっている場合かとの声もある」と打ち明ける。担当する市地域振興課は「整備に意欲的だった民間事業者もコロナ禍で足踏み状態となっている」と話す。

■場所は有望「凍結ではない」 宮本守山市長に聞く

 守山市が掲げるビワイチ観光の拠点「道の駅構想」や事業化の見通しなどについて宮本和宏市長に聞いた。

 -コロナ禍の中、構想はどうなったのか。
 「新型コロナが流行し、参画意思を示していた事業者が『この状況では判断できない』と言ってきた。道の駅構想は、ほとんどが民間投資による民設民営で、現段階では整備に動き出せない」

 -凍結ということか。
 「凍結でも棚上げでもない。コロナが終息し、整備へ社会経済情勢が許せる状況になれば、琵琶湖岸でグランピング施設をしたいという業者はいる。昨秋、ビワイチがナショナルサイクルルートに選定され、関心が集まる中、自転車で旅をする人の拠点は必要だ。湖岸エリアは琵琶湖大橋が近いなど景観が良く、大勢の来場が見込め、有望な場所だ」

 -草津市や琵琶湖大橋の対岸にも「道の駅」はあり、多すぎないか。
 「構想がある湖岸道路沿いには、次は米原まで行かないと道の駅はない。『自転車の道の駅』を掲げており、違いや特色を出せるのではないか」