京都の街並み、特に三条通、四条通あたりはどんどん変わっていく。それはいいことでもあるし、寂しいことでもある。こんなお店長く続かないだろうなー、というお店のほとんどはいつのまにか全然違う「すぐつぶれそうな」お店に変わっている。そのサイクルはもしかしたら京都の街にとってひとつのエネルギーなのかもしれない。

 そんな三条通で15年以上みんなに愛された「三条珍遊」は先月末をもってその長い歴史に幕を閉じた。

 一乗寺に本店を置く従来の珍遊系列から独立したこのお店は、自家製の麺と醤油(しょうゆ)が香る澄んだ鶏ガラスープが売りのラーメン屋さんで、奥の座敷スペースにはHomecomingsのメンバーや音楽友達、当時の恋人やCD屋さんの同僚とのたくさんの思い出が詰まっている。持ち帰りのお弁当や1個から買える唐揚げ、海外のお客さんにも優しい接客と英語。

 僕が帰るこの街のひとつの灯りが消えてしまうことをとても寂しく思うと同時に、これまでの17年間に最大級のおつかれさまを贈りたい。最後の最後、京都音楽博覧会の日に滑り込みで食べることができたラーメンの味を、僕はずっと忘れることはないだろう。