1年ごとに首相が交代していたころと比べると、まるで永遠に続くかのようだった安倍晋三政権が終わりを迎える。きのう、突然の辞意表明のニュースが列島を走った▼職務を続けるとみられていたがサプライズだった。潰瘍性大腸炎は難病であり、薬が効いたとはいえ、7年8カ月も首相の激務を続けられた点には素直に感心する▼「1強」と言われた安倍政権だが、森友問題はじめ数々の疑惑も残り、功罪は問われよう。きょうのところは、連続在職の最長記録を更新した直後のタイミングに体調悪化で辞任というのが、どこか第1次政権の最後を思わせるとだけ言っておきたい▼辞任する直接の原因は持病の再発だが、やはりコロナ対策の厳しさも大きかったのではないか。ウイルスは世界各国のリーダーの資質や力量もあぶり出した。残酷なほどに▼日本は諸外国と比べてコロナの影響は抑えられているのに、なぜか国民の批判は大きいとも言われる。一方で、安倍首相をこれほど長く政権の座につけたのも、そんな説明のつかない国民意識だったような気もする▼きのうの会見は、これまでよりも自分の言葉で語っていると感じた人もいたのではないか。それがようやく見えたのが辞意表明というのは、やっぱり残念だ。安倍政権とは何だったのだろう。