安倍首相のポスターが貼られた自民党京都府連事務所(8月28日午後、京都市中京区)

安倍首相のポスターが貼られた自民党京都府連事務所(8月28日午後、京都市中京区)

 安倍晋三首相の後継を選ぶ自民党総裁選で党員・党友投票を行うべきか否かについて、京都府内の自民地方議員の間で意見が分かれている。党員・党友投票を見送るという党執行部方針に賛同する声がある一方で、「開かれた形で行わなければ国民の理解は得られない」などと党員らによる投票の実施を求める声も上がっている。

 「コロナ禍で市民が困っている中、一瞬たりとも政治空白をつくってはならない」。こう力説し、党員・党友投票見送りに理解を示すのは、ベテランの富喜久夫京都市議。「総裁選への投票権は、事実上総理大臣を選ぶ権利」をうたい文句に党員を勧誘してきた手前、じくじたる思いはある。だが「今回ばかりはなるべく早く後継者を選出し、コロナ対策を進めるべきだ」と語る。

 自民府議団代表幹事の秋田公司府議も執行部方針を認める立場だ。コロナ禍に加え、首相の体調不良という現状は国にとって「緊急事態」との受け止め。党員・党友投票の実施は、新総裁が安倍首相の残り任期を全うした後の総裁選で改めて行えばよいと考える。

 一方で、田中明秀京都市議は「正式な手続きで実施した方が次の総裁にとっても良いのでは」と執行部方針に首をかしげる。8月28日の安倍首相の辞意表明以降、「投票させてほしい」との声が党員から届いているといい、「それができないとなると党員を継続してもらえなくなる」と懸念する。

 四方源太郎府議も国会議員票中心による総裁決定に反対の立場で、「急いで選ぶ必要があるなら理由をもっと明確に示すべきだ」と主張。田島祥充府議も「安倍首相はすぐに執務ができなくなる状況ではない。新首相を選ぶだけの時間はあるはず」とした上で、「広く党員らに参加してもらったほうが結束が強まり、選挙に立ち向かえる」と、次期総選挙を見据える。

 党執行部は1日に開く総務会で投票方法を正式に決定するとみられる。今後は都道府県連に与えられる3票の投票先をどう決めるかにも注目が集まりそうで、ある京都市議は「党員・党友投票を省略した時の折衷案として、3票の投票先を府内の党員らで決めればよいのでは」と提案する。

 ただ、9月中旬とされる新総裁選出まで時間的猶予は少ない。府連は「総務会後に府連の会議を開いて対応を検討する」(吉井章幹事長)としている。