暑さで路面に現れた「逃げ水」(8月5日、大津市打出浜)。温暖化対策が強化されない場合、県民の生活に大きな影響が出ると県は予測する

暑さで路面に現れた「逃げ水」(8月5日、大津市打出浜)。温暖化対策が強化されない場合、県民の生活に大きな影響が出ると県は予測する

 滋賀県はこのほど、地球温暖化が県内に与える影響を予測した「県の気候変動影響等とりまとめ」の素案を、有識者でつくる県気候変動適応推進懇話会に示した。温暖化対策が現状のまま強化されない場合、20世紀末(1980~99年)に比べ、今世紀末(2076~95年)の県内の年平均気温が4.3度上昇し、農林漁業や県民の健康に大きく影響するとしている。

 素案は気象庁の「地球温暖化予測情報第9巻」(2017年)のデータを県が整理して作成した。20世紀末に14・4度だった年平均気温は、今世紀末には現在の鹿児島県並みの18・7度になるとしている。季節別では、夏が4・1度、冬が4・9度上がる。1・25日だった年間の猛暑日は25日増えて26・47日になると予測している。

 降水量は全国的には増えるが、滋賀県内は減少傾向を示すと予測。年間降水量は1603ミリから264ミリも減り、1339ミリに。特に夏は161ミリ減り、373ミリにまで減少する。雨が降らない日は247日と夏、冬を中心に15日増える。

 素案は今後想定される影響を分野ごとに列挙している。融雪の早期化や減少で、農業用水の供給やコメ・野菜・果樹の生育、家畜、琵琶湖の魚の生息環境に悪影響が出るとする。土砂災害や渇水が頻発し、熱中症による死亡リスクも2090年代には最大3・7倍増えると予測している。高温に耐性がある農作物の品種開発といった対策や、防災、琵琶湖の調査研究の強化が必要としている。

 懇話会は学識者10人で構成。会合を今後2回開き、来年3月に成案をまとめる。成案は、県が温室効果ガスの排出削減策などを定め、来年に改訂する「県低炭素社会づくり推進計画」に反映する予定。