自民党総裁選で党員・党友投票の見送りが決まったことを伝えるテレビ画面。党員の男性は納得いかない思いで見つめた(京都市左京区)

自民党総裁選で党員・党友投票の見送りが決まったことを伝えるテレビ画面。党員の男性は納得いかない思いで見つめた(京都市左京区)

自民党の入党勧誘パンフレット。赤字で「入党すると、あなたも自民党総裁選で投票することができます」と記載されている

自民党の入党勧誘パンフレット。赤字で「入党すると、あなたも自民党総裁選で投票することができます」と記載されている

 自民党は1日、安倍晋三首相の後継を選ぶ党総裁選について、党員・党友投票を行わないことを正式に決めた。年4千円の党費を支払っている党員にとって、総裁選は数年に1度しか巡ってこない貴重な政治参加の機会だけに、京都府内の党員からは本部の決定に厳しい声が上がっている。

 「末端のわれわれを無視しているのではないか」。京都市左京区で酒販店を経営する男性(73)は憤りを隠さない。知人の勧めで入党して約40年。党費は町内会費より高く、決して安い金額ではない。だが国を運営する与党の体制維持に「何億分の一かでも支えになれる」のを自負に、毎年欠かさず納めてきた。

 総裁選は自身が「これだ」と思う政治家に1票を投じる権利。しかし今回はその機会が奪われた。「(党員投票を行うという)決まりは決まりとして行うべきだ。このままでは党に入っている意味がない。今まで党を辞めようと思ったことはないが、そういう話につながってくる」と険しい表情で話す。

 左京支部長を務める男性(71)も党員投票を実施すべきとの立場。男性自身、「入党すると、あなたも自民党総裁選で投票することができます」と記載された党パンフレットを手に勧誘活動をしてきた。それだけに今回の決定は納得がいかない。「新総裁のためにも民意を反映させた形でやるべきだ。執行部は政治空白を生まないためと言うが、コロナ禍があるのに臨時国会を開いてこなかったのは誰なのか」と語気を強める。

 一方、執行部の決定に理解を示す声も一部にある。2年前に党員となった京都産業大4年の男性(23)=京都府京田辺市=は「コロナが収まらない今の情勢では仕方がない」と述べ、「党員投票をするしないで党内でごちゃごちゃすると、国民から不信感を招く恐れがある。党支持率にも影響があるかもしれない」と心配する。

 党総務会は都道府県連に割り当てられる3票の投票先について、党員に意向を確認することを奨励。府連は2日に幹部会を開き、投票先の決め方を議論する。