少しずつ異なる顔付きで描かれている人面墨書土器(京都市上京区・市考古資料館)

少しずつ異なる顔付きで描かれている人面墨書土器(京都市上京区・市考古資料館)

疫病退散の祭祀に使われた墨書人面土器や土馬などの遺物

疫病退散の祭祀に使われた墨書人面土器や土馬などの遺物

 古代都城で疫病の退散を願った祭祀(さいし)遺物を紹介する企画展「古代の祓(はら)い」が、京都市上京区の市考古資料館で開かれている。新型コロナウイルス収束への祈りも込め、厄災封じとして川へ流した「墨書人面土器」など約20点を陳列している。

 墨書人面土器は口径17センチ前後、高さ9センチ前後で、8世紀後半に長岡京南東部(伏見区)に当たった桂川支流跡で出土した。都の境界地で祭祀(さいし)のために用いられ、疫神のような男性のひげ面が表面に描かれている。

 表情が少しずつ異なり、怒ったように眉をつり上げたり、ひょうきんに口を開けたりしているのは、描き手に似せた可能性もあるためという。この土器には息を吹き込んでけがれを封じ、水に流して身を清める使い方があり、自らの疫病祓いを託した切実な願いも感じ取れる。

 病が広まらないよう疫神の乗り物の足を折った「土馬」や、食の安全を願った「竈(かまど)」の小型模造品もある。
 
 入場無料。27日まで。原則月曜休館(21日は開館、同23日は休館)。