安土城跡に残る天主跡(近江八幡市安土町)

安土城跡に残る天主跡(近江八幡市安土町)

 安土桃山時代に織田信長が築き、わずか3年で焼失した安土城天主(天守閣)の「復元」について、滋賀県は、県内外の一般から意見を募る。安土城跡(近江八幡市、特別史跡)での実物大の再建からCGによるデジタル再現まで県が検討している4案の課題・効果を3日から示し、インターネットなどで受け付ける。集まった意見を踏まえ、県が進めている「安土城の見える化」の方向性を決める。

 県は2026年度の築城450年祭に向けて城の実像を明らかにし、目に見える形で復元するとして、三日月大造知事の発案で昨年4月「『幻の安土城』復元プロジェクト」事業を立ち上げ、復元方法を検討している。ただ、城の構造・外観を伝える史料がほとんど見つかっていないほか、再建する場合、推定で500億円超の費用がかかるなど多くの課題がある。

 4案は①往時の規模・構造・形式を再現した実物を城跡に建てる「復元」②利活用も考え、バリアフリー化など構造の一部を変更して建てる「復元的整備」③城跡以外の場所に天主に模した建物を建てる「再現」④CGで作る仮想現実(VR)や拡張現実(AR)といったデジタル技術による「再現」。

 県によると、①②は史跡としての価値が高まる一方で史料不足や巨額の建築費が課題。③は自由度が高く観光振興に役立つが城の実像を伝える上で誤解を招きやすい欠点があり、④は城の遺構に影響を与えないが機器の更新を頻繁に行う必要がある、という。

 意見は自由記述式で募り、後日、県ホームページで公表する。11月に専門家を交えて開く「安土城見える化の検討会議」に報告され、方向性を決める際の参考にする。

 県ホームページ「しがネット受付サービス」のほか、電子メールcastle@pref.shiga.lg.jpか、ファクス077(528)4956、郵送でも受け付ける。締め切りは10月5日。問い合わせは県文化財保護課077(528)4678。

【安土城】織田信長が1576(天正4)年に築き始め、79年には天主を完成させて移り住んだ。本能寺の変直後の82年6月に何らかの理由で天主をはじめとする主郭部分が焼け落ち、85年、豊臣秀次の八幡山城築城とともに廃城となった。