築100年を超える京都大吉田寮の旧棟(京都市左京区)=2018年2月撮影

築100年を超える京都大吉田寮の旧棟(京都市左京区)=2018年2月撮影

 京都大は12日、老朽化などを理由に全員退去を求めていた学生寮「吉田寮」(京都市左京区)について、一定条件を満たせば新棟に寮生が住むことを認める意向を明らかにした。従来の方針を一部転換した形だ。会見した川添信介理事・副学長は会見で「寮生は現棟(旧棟)からは退去し、新棟では責任ある自治を実現してほしい」とした。

 2017年12月に京大が出した基本方針では、老朽化した旧棟に加え、15年にできた新棟に住む寮生にも退去を求めていた。方針転換の理由について川添理事は「どの部屋に誰が住んでいるか確認できない状況が続いていたが、先月、裁判所によって居住者を一定確定できた」と説明。ただ新棟居住には、大学の職員による確認を受け、管理上必要な場合には教職員の立ち入りを認めることなどを条件とした。

 旧棟を改修するか建て替えるかは決まっていないとした上で、「建築物としての歴史的経緯には配慮する。引き続き寄宿舎として使う」と明言した。

 吉田寮自治会との話し合いができない状態のまま新たな方針を出したことについて「現状では話し合えない。自治会に変わってほしい」と理解を求めた。一方で自治会との信頼関係が壊れた原因を問われると「難しい質問で、どちらが一方的に悪いと言えない。大学も完全ではない」と責任の一端を認めた。

 寮生の文学部4年の男子学生(23)は「新棟の運営方法では、これまでの学生自治と異なる形を提案してきた」と批判。一方で「現棟(旧棟)の歴史的価値という自治会の主張を認めたことは一定評価する。話し合いで解決する用意はある」と話した。