京都市役所

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 児童虐待の重篤化を未然に防ぐため、京都市は2019年度に、児童相談所(児相)と区役所・支所が虐待情報を共有するシステムを導入する。千葉県野田市で小学4年の女児が虐待を受けて死亡した事件など深刻な事案が相次ぐ中、児童虐待に対応する専門機関である児相と、乳幼児健診や妊婦の家庭訪問を通じて家庭と日常的に関わりを持つ区役所・支所の連携を強化し、支援の充実につなげる。19年度一般会計当初予算案に関連経費6100万円を計上した。

 市内で17年度に近隣住民や警察などからあった児童虐待の相談や通報件数は1716件で、市はこのうち1328件を虐待と認定した。件数はいずれも2年連続で過去最多となった。

 市が導入するシステムでは、虐待と認定したケースを対象に、児童相談所(上京区)、第二児童相談所(伏見区)、市内14の区役所・支所の子どもはぐくみ室の担当職員が、それぞれの支援の進捗状況や今後の関わり方などの対応記録を入力する。閲覧を認める職員の範囲は検討中という。

 市は「記録を提供し合うよりも、同じ情報を互いに見られる方が効率がよく、職員の負担軽減にもなる」と利点を説明する。

 区役所・支所は従来、健診や家庭訪問を通じて虐待の兆候をつかんだ場合、児相に連絡している。しかし、その後の対応の情報共有は主に書類や4カ月に1回の定例会議で行っているため、迅速な対応につながっていないケースがあったという。

 昨年3月に東京都目黒区で両親から虐待を受けていた女児が死亡した事件を踏まえ、政府が同7月にまとめた緊急総合対策でも、自治体や児相、警察など関係機関の効率的な情報共有を図るためにICTを活用したシステムの整備促進を求めている。市子ども家庭支援課は「まずは市役所内部から情報共有を進め、1人でも多くの命を救いたい」としている。