国勢調査員を務める人が就任に当たって記入を求められる承諾書(右)全国では調査員の不足が課題になっている=画像の一部を加工しています

国勢調査員を務める人が就任に当たって記入を求められる承諾書(右)全国では調査員の不足が課題になっている=画像の一部を加工しています

 国勢調査の調査員確保や作業が町内会の負担になっている-。こんな声が京都市内の女性(53)から、京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」のLINEに届いた。今年は5年に1度の国勢調査の年。調査員は今月14日から残暑の中で家々を回り、新型コロナウイルスの感染予防にも気を配らなければならない。全国では調査員が不足する自治体もあるようだ。京都市はどうなっているのか、実態を調べた。

 国勢調査は、日本に住む全ての人を対象に国が行う最も重要な統計調査。地方交付税の算定や社会保障政策、防災計画の策定、衆院小選挙区の区割りの見直しなどの基礎資料として活用される。実施に当たっては、市区町村が非常勤国家公務員の「調査員」を選定。調査員は平均1~2調査区(50~100世帯程度)を担当する。

 今回声を寄せた女性は、町内会の役職の一つとして、市政協力委員を務める。この町内会が受け持つ調査対象は約550世帯。これを市政協力委員3人と住民4人の計7人で分担することとし、町内会が住民に協力を呼び掛けたが、応じる人はいなかったという。結局、市政協力委員3人と町内会の役員3人の計6人で担当することになり、1人当たりの担当世帯も増えた。

 女性は「なぜ町内会が調査員募集から不足分の穴埋めまでしないといけないのか。自治体が公募で集めるところもあるのに、市は地域への丸投げが過ぎるでは」と不満を抱く。

 制度上、調査員の集め方は自治体に一任されている。総務省によると、小規模な自治体は公募の割合が高く、多くの調査員を集める必要がある政令市など大規模な自治体は、町内会などへの協力が中心になる傾向が高いという。

 京都府によると、府内26市町村のうち、およそ半分の自治体が公募を実施。うち宇治市は、調査員約600人のほぼ全てを公募した。同市は「従来から公募の形をとってきた。町内会にも声は掛けるが、市が一人づつ面接して決めている」とする。亀岡市も500人全員を公募。集まったのは約200人だったが、市総務課は「自治会(町内会)に頼むと地域の負担が大きい」とし、不足の200人は職員でカバーするという。