「一時的な保管」で済むのだろうか。

 原発から出る使用済み核燃料を再処理するまでの間保管する中間貯蔵施設(青森県むつ市)が原子力規制委員会の審査に事実上、合格した。

 しかし、再処理でプルトニウムを取り出し燃料として繰り返し使う、国策の「核燃料サイクル」は行き詰まり、破綻しているのが現実ではないか。

 一時保管といっても運び出す先となる再処理工場の新設計画は具体化していない。受け入れるむつ市の中から「永久保管につながる」と懸念の声が出るのは当然だ。

 規制委は施設の安全性を科学的に審査するだけだ。更田豊志委員長は「恐れるのは燃料を運び出す先がない状態で、燃料の容器の耐用年数に近づく事態だ」と述べている。

 見通しもないのに核燃サイクルに固執することで、議論にごまかしや無理が生じないだろうか。再利用といいながら実際は核ごみの最終処分であるなら、真の解決を阻害し安全対策をゆがめることにもなりかねない。

 核燃サイクル問題を決着させるのは政治だ。中核の高速増殖炉もんじゅは頓挫し、青森県六ケ所村の再処理工場は完成延期が続く。こうした現実を直視すべきだ。

 使用済み核燃料は各原発内のプールで貯蔵されるが、すでに全貯蔵容量の7割を超えている。1990年代に中間貯蔵施設の必要性が浮上し、さらに国の原子力利用計画で核燃サイクルの再処理が可能になるまでの時間稼ぎとしての役割を明記された。

 しかし、福島第1原発事故後、原発再稼働は停滞したため使用済み核燃料の発生は減り、それぞれの原発内で乾式保管施設を新設する流れに変わっている。中間貯蔵の意義は小さくなったといえる。

 むつ市の中間施設は国内初の乾式で、東京電力と日本原子力発電の3原発から出る核燃料を最長50年保管する。いずれも原発から遠く離れた立地で、むつ市は新条例で課税し財政を潤すという、全国の原発によくある構図だ。

 関西電力も福井県の要求で県外搬出を模索、むつ市の中間施設に目を付けたが、拒否されている。

 核燃料の再利用は難しい状況であり、危険なごみとして最終処分や保管について議論を進めるべきだ。そのために原発ゼロの目標時期を明確にし、核ごみの総量を想定する必要がある。電気を使う国民も議論に加わりたい。