吉川さんに託されたコレクションを見つめる長谷川さん(向日市・ワンダーランド)

吉川さんに託されたコレクションを見つめる長谷川さん(向日市・ワンダーランド)

 京都府向日市内の風景を描き続けた男性が1月下旬に亡くなり、親交のあった同市寺戸町の絵本・児童書専門店「ワンダーランド」で追悼展が行われている。男性から託されたコレクションが並び、オーナーは「作品を通じて人柄を知る機会になれば」と話す。

 同市森本町の吉川泰史さんは、45歳の時に急性肝炎が発症したのを機に、本格的に絵を始めた。水彩画教室を開き、自身が愛した市内の町並みを守る活動にも取り組んだ。昨年4月に胆管がんが見つかり、肝臓にも転移。闘病を続けたが1月24日に亡くなった。78歳だった。

 20年以上作品を常設していたワンダーランドでは、昨年11月に「遺作展」と位置づけた作品展を自ら開いていた。「みんなに見てもらいたい」と生前に託した収集品15点が、感謝と追悼の思いを込めて今月から店内で並べられている。絵画仲間の抽象画や師と仰いだ作家の風景画など、それぞれに自身のメッセージを添える。

 オーナーの長谷川みゆきさん(62)は、亡くなる直前に吉川さんから電話をもらっていた。「いよいよ強い薬を使うから話ができなくなる。僕が死んだら弔辞を頼むね」。葬儀は吉川さん自ら準備していた通りに作品展示などが行われた。

 「いなくなってしまったのは寂しいし信じられないけれど、最後まで生ききったのだと思う」と長谷川さんは考えている。「子どもには絵本が大切。頑張りや」と応援してくれた吉川さんの言葉を胸に店に立つ。

 3月2日まで。日曜休み。