年老いた両親の姿を写真に収め続けた清水さん(手前)=京都市中京区

年老いた両親の姿を写真に収め続けた清水さん(手前)=京都市中京区

 京都市南区出身の文筆家で写真家の清水哲男さん(65)が、老いゆく両親の生と死を見つめた写真集「揺れて歩く ある夫婦の一六六日」(エディション・エフ刊)の出版を記念し、中京区高倉通二条下ルのレティシア書房で写真展を開いている。 

 2014年夏、当時91歳だった母千鶴さんの大病をきっかけに、現在暮らす鹿児島市から南区吉祥院の両親宅へ月に1度のペースで通い、写真を撮り始めた。ちょうど自身も還暦を迎えて「あと何年、どんな仕事ができるのか、自問していた」ことも重なり、「生きていく自分と、死んでいく自分。その間を揺れながら歩みを進める」両親にレンズを向けた。

 「揺れて歩く」と名付けた写真は、歩行器につかまって歩く母に、寄り添う父良一さん、二人の後ろ姿を捉えている。「歩けるわ」と喜ぶ母に、「わしもつかまらせて」と母の手の上からハンドルをつかむ父。その瞬間を切り取ったという。

 食事を終えて二人そろってうたた寝する姿や、訪問介護を受ける両親といった日常の光景から、末期がんの宣告を受けた瞬間の父の表情、その父のいまわの際に手を重ね合わせる母の様子まで、シャッターを切り続けた。「『つらくなかったですか』と、よく聞かれるけれど、むしろ姿を残した喜びの方が強い」と清水さん。

 しばらく一人で暮らした千鶴さんは今、鹿児島で清水さんと一緒に暮らす。「96歳になりましたが、まだまだ元気です」。会場には、ベッドに腰掛けて笑顔を見せる千鶴さんの近影もあり、その隣には、指物師だった良一さんの道具の写真が飾られている。

 写真展は13日まで。午後1時~午後7時。月、火曜定休。入場無料。