ときめき随一

 華やかさと大胆なデザインで知られる琳派(りんぱ)と奇想の絵師、伊藤若冲(1716~1800)。細見美術館(京都市左京区)を創設した実業家、細見家のコレクションのうち、絶大な人気を誇る作品が登場する。前後期あわせて琳派は約40点、若冲は10点を出展。さらに志野・織部の桃山陶芸約10点も紹介する。

伊藤若冲 花鳥図押絵貼屏風(部分)

 琳派は、本阿弥光悦、俵屋宗達から酒井唯一まで、約350年にわたる約30人の多彩な作品がそろうのが見どころ。時代をさかのぼる形で展示され、系譜をたどることができる。

本阿弥光悦書 俵屋宗達下絵 忍草下絵和歌巻断簡

 特に江戸琳派は、2代目古香庵(細見實氏)が着目して収集した随一のコレクションだ。酒井抱一の「鹿楓図団扇(しかかえでずだんせん)」は、金箔(きんぱく)を貼った団扇の表裏にシカとカエデを描き、たらし込みなど、琳派様式を強く意識した。掛け軸の表装部分も描いた鈴木守一の「業平東下り図」(前期のみ)や、色鮮やかな草花が印象的な池田孤邨(こそん)の作品もそろう。

酒井抱一 鹿楓図団扇(裏)
鈴木守一 業平東下り図(前期)
池田孤邨 四季草花流水図屏風

 若冲が40歳代の作品で、ニワトリやカワセミ、梅やトンボなどを描いた「花鳥図押絵貼屏風(びょうぶ)」のほか、晩年に描いたニワトリの屏風作品もあり、水墨表現の変化を知ることができる。實氏が若冲を収集するきっかけになったとされる「瓢箪(ひょうたん)・牡丹(ぼたん)図」、後期には「雪中雄鶏図」が並ぶ。

伊藤若冲 瓢箪・牡丹図(牡丹図)
伊藤若冲 雪中雄鶏図(後期)

 細見家は、自邸で客人をもてなしたり、季節感を楽しんだりするために、美術品を収集した。主任学芸員の福井麻純さんは「細見家の探究心と情熱、人々を魅了する作品を手がけた作家たちのエネルギーを感じてほしい」と語る。


神坂雪佳 金魚玉図(部分、前期)

【会期】9月12日(土)~12月20日(日)月曜休館
(9月21、22日開館、23日休館、11月23日開館、24日休館)※前期は10月25日まで、後期は10月27日から12月20日まで
【開館時間】午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)
【入館料】一般1300円、中高生・大学生1000円
【会場】細見美術館(京都市左京区岡崎最勝寺町)
【主催】細見美術館、京都新聞
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、休館や開館時間の変更が発生する可能性あり