新型コロナウイルスの影響で来年に延期された東京五輪・パラリンピックについて、国際オリンピック委員会(IOC)の幹部は今週明け、再延期や中止はないとの見方を示した。

 ウイルスがあろうが、なかろうが、開催するのだという。

 五輪開催の是非を巡って、内外の世論が大きく割れている。万全の感染対策を、用意しておかねばなるまい。

 政府は先週、対策を検討する調整会議を立ち上げた。会合を重ねて、年内をめどに中間報告をまとめる方針である。

 課題は、まさに山積しているといえる。

 参加する選手、大会関係者、観客のそれぞれについて、出入国の可否を判断し、滞在中の感染防止策と医療体制を整えておく必要があるからだ。

 五輪には通常、200を超える国・地域から、選手だけで約1万1千人が出場する。

 一方、感染拡大を受けて政府は現在、160近い国・地域を、原則として入国拒否の対象にしている。この措置を緩和しないと、大会は開催できない。

 感染を防止するには、出入国時の検査で陰性を確認したうえで、滞在中の行動も制限せざるを得ないようだ。

 陰性であっても、入国後は念のために14日間の待機をしなければならない。それには、選手村とは別の宿泊先や、感染リスクのない練習場所が要るので、免除や短縮を求める声が上がっている。

 どう対応するのか。難しい判断を迫られそうだ。

 選手の感染が新たに判明するケースも、想定するべきだ。

 当該の選手や所属チームの取り扱いや、競技の中止・続行、順位の決定方法について、ルールを定めておきたい。

 無観客とするのか、観客を入れるのなら、どのくらいまで可能なのかも大問題だ。

 調整会議は、米プロバスケットボールNBAや日本のプロ野球、大相撲などの開催事例を参考にして、十分な対策を練り上げていく構えである。

 とはいえ、東京五輪では33もの競技が集中開催される。競技ごとに、きめ細かな配慮が欠かせないだろう。

 いずれの課題においても、感染リスクを軽視することなく、適切な対策を講じてほしい。中間報告には、「これなら開催できる」との評価を国内外から得たい。