三好亜海さん

三好亜海さん

 TAJIRO工房社長の三好亜海さんは、画家の母とともに、国内初の絵画教室のフランチャイズ事業を立ち上げ、全国展開している。30年以上にわたり、京都府南部を中心に絵画造形教室を営む母のノウハウを詰め込んだ。創業から5年がたち、フランチャイズは23校、直営教室を含めると250~300人の生徒が学んでいる。


 3歳ごろから母の田嶋香里さん(60)の教室に通い、アートに親しんだ。姉は現在、生花デザイナーとして活躍する芸術一家。自身は「制作者じゃない」と立命館大卒業後、大手旅行会社に就職し、修学旅行の企画や営業、添乗を担当した。結婚して退職後、地域で愛される教室の素晴らしさにあらためて気づいた。


 田嶋さんはアートを教えるために保育士の資格まで取得し、子どもたちが自分の気持ちを表現することを大切にした。それは絵画の指導だけでなく、「子どもたちの未来を豊かにする」(三好さん)。しかし、母一人では生徒数に限りがあり、教室はいつかなくなってしまう。講師を養成し、教室をフランチャイズ化しようと思いついた。


 2015年に起業。半年ほどかけて、月3回の1年間のカリキュラムとテキストを作成した。未経験者でも指導できるよう、参考作品や制作途中の写真とともに、年齢ごとの課題の狙いや声のかけ方を解説、特殊な画用紙などの備品も用意する。4歳~小学6年生の幼少クラスを中心に、障害のある人や中高生向けなど6種類のクラスがあり、講師向けに養成講座もつくった。テキストは現在も改良を続ける。


 子どもの家庭の負担を抑えるため、料金は安価に設定した。16年、長野県小諸市に初めてのフランチャイズ教室が開校。その後も口コミで教室が増えている。講師は30~60代の画家や主婦、退職後の人たち。「教室が生きがいになった」と喜ぶ。


 今秋、宇治市中心部の宇治橋通近くに、母や姉の作品販売やワークショップができる店舗を開店する予定だ。「起業してから毎日、いろんなアイデアが浮かんでわくわくしている。これこそが、感性やひらめきを育ててくれた教室のおかげかも」。ネコをモチーフにする母の絵を見ながら笑顔で話した。

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 みよし・つぐみ 立命館大経営学部卒。近畿日本ツーリスト勤務を経て2015年1月に起業し、18年に法人化。同年、経済産業省近畿経済産業局の女性起業家応援プロジェクト「LED関西」のファイナリストに選ばれた。アート作品のレンタルや販売も手掛ける。八幡市出身。宇治市在住。34歳。