「やまなみ工房」の通所者の作品を飾る客室(大阪市浪速区難波中1丁目)

「やまなみ工房」の通所者の作品を飾る客室(大阪市浪速区難波中1丁目)

 障害者の絵画を飾るホテルが大阪・難波にオープンした。「泊まれるギャラリー」がコンセプトで、作品は障害者の芸術活動を支援する「やまなみ工房」(甲賀市)の通所者が手掛ける。宿泊者が気に入れば購入もできる。関係者は「既成概念にとらわれない自由で確信的な作品を国内外に発信したい」としている。


 ホテル「DISTORTION(ディストーション)9」(大阪市浪速区)。貨物用コンテナを利用した2階建て2室で、1階に大家美咲さん(26)、2階に中尾涼さん(22)=いずれも甲賀市=の絵画十数点を飾る。半年に1度、別の通所者の作品に入れ替える。コーヒーや水などアメニティーの包装デザインも工房利用者が手掛けている。


 同工房とクリエーティブデザイナー笠谷圭見さん(51)は10年前から、障害者アートに関する写真集発行や映画製作など表現活動を行う。そのファンである笠谷さんの知人がホテルの建設・経営に携わると知り、企画を持ちかけたところ快諾を得た。


 ホテルは7月上旬にオープンした。計画時は障害者アートに高い価値を見いだす欧州などからの訪日外国人客の需要を見込んでいた。新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい状況だが、グループや家族での利用を期待しており、笠谷さんは「障害者アートの認知が低いという国内での発信の機会にしたい」と話す。


 やまなみ工房の早川弘志副施設長は「創作活動を仕事の位置づけとして評価してもらったことで、今後アーティストしての活躍の場が増えるはず。これを機に同様の取り組みが広がれば」と期待している。


 宿泊予約は「DISTORTION9」のホームページから。