認知症の高齢女性が発見された現場付近(京都府舞鶴市市場)

認知症の高齢女性が発見された現場付近(京都府舞鶴市市場)

 京都府舞鶴市内で8月30日から行方不明になっていた認知症の高齢女性が今月2日、住民の情報などを基に無事発見された。同市では高齢化が進む中、認知症の人の行方が分からなくなる事案が増えている。今回のケースは京都府警舞鶴署や市、住民が連携して発見に至った好例で、関係者は胸をなで下ろすとともに認知症高齢者を見守る地域づくりの充実に期待している。

 女性は30日午後、山間部にある自宅を出て行方不明になった。舞鶴署や消防、地元自治会などの捜索で、生存率が下がる目安とされる「発生後72時間」が経過した2日午後4時すぎ、同市市場の側溝で動けなくなっている状態で発見された。

 同署によると、防犯カメラ映像に加え、近隣住民から寄せられた、女性が散歩でよく行く場所の情報も捜索のヒントとなった。「あと1日発見が遅れたら命の危険があった。3日後に無事見つかった例は珍しい」という。

 同署管内での今年の行方不明者保護件数は7月末で103件。うち認知症の人は47件で前年同期比15件増となっている。認知症高齢者の徘徊(はいかい)では、夜に車道を歩いていて車にはねられ、死亡した事例もある。府警本部によると、府内の認知症高齢者の行方不明者届は今年、8月末までに347件出されたという。

 府内の各自治体には行方不明時に生かすため、高齢者らの住所や体形、写真、徘徊時の行動パターンを事前に登録する制度がある。舞鶴市では約150人が登録しているが、市は「より制度を周知させ、登録者を増やす必要がある」とする。2日に発見された女性は未登録だったが、同署によると、登録があれば関係機関が迅速に情報共有でき、早期発見につながった可能性があるという。

 9月の「世界アルツハイマー月間」に合わせ、市は図書館に認知症コーナーを設けたり、認知症の理解を深める講座を開いたりしている。市高齢者支援課は「地域ぐるみで認知症高齢者が見守ってもらえる環境づくりに取り組みたい」としている。