今年の夏はほとんどの時間を部屋のソファで本を読んで過ごした。映画も小説も音楽もどれも僕にとってなくてはならない存在だけど、時々そのうちのひとつだけにやけに夢中になってしまうことがある。

 そうなってしまっている間は他のことはあまり目に入らず、レコードプレーヤーにほこりがうっすらと積もったり、何週間もnetflixを開かなかったり、かわいい本屋さんを見つけてもときめかなかったりする。

 普段は映画をテレビで流しながらレコードをかけて、片手に文庫本をもってソファの上で何時間も過ごしたりするくらいなので、その期間はひとつのことにがっつりと集中できる、ある意味で僕にとって必要なものでもあったりする。

 今年の春先、自宅で過ごす時間が増えるのと同じタイミングで僕のなかで本を読みたい、という気持ちが体の中のほとんどのスペースを占めるようになった。なんのきっかけもない。いつもそうやって急になにかに夢中になるのだ。

 毎日のように好きな本屋さんの通販ページをスクロールし、棚のなかで眠っていた本を片っ端から手にとる。これからの何回かは、そんなこの夏の本をいくつか紹介していこうと思います。