新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国立大82校のうち80校が来春の入学者に実施する一般選抜(一般入試)の個別試験で、感染などによって欠席した受験生のために追試験などの救済策を設ける予定であることが分かった。

 文部科学省の意向調査では、国公私立大の300校超が個別試験を欠席した受験生の追試験を実施し、私大を中心に400校超は追加受験料なしに別日程への振り替えを認めるという。

 新型コロナの収束は見通せず、入試シーズンに向けて再拡大の恐れもある。だれもが感染者や濃厚接触者になる可能性があり、何らかの救済措置は求められよう。

 ただ、インフルエンザによる欠席との違いをどう考えるのか、追試を受けた方が有利とならないか、深刻な感染拡大が起きた場合はどうするのか―といった多くの懸念がある。

 文科省は現場まかせにせず、公平な入試の実現に向け、考えられるさまざまなケースへの対応策をしっかり示すべきだ。

 来春の入試は、大学入試センター試験の後継として大学入学共通テストが始まるなど改革元年である。だが、スケジュールは異例の厳しさを見せている。

 長期休校を踏まえ、共通テストは当初予定の1月16、17日を「第1日程」とした上で、同30、31日に「第2日程」が設けられた。さらに感染などで第2日程も欠席した受験生のため、2月に「特例追試」も設定された。

 国公立大の個別試験は2月25日以降と、例年通りのスケジュールが維持されている。

 コロナ禍の下、複数回の試験をスムーズに実施しなくてはならない。受験生は都道府県をまたいで集まり、試験会場で長時間を過ごすため「密」になりかねない。

 準備に万全を期したい。来春に限らず、今後も受験機会を幅広く設けることが求められる。コロナを契機に、長期的視野で入試の在り方を改善することが大切だ。

 共通テストを巡っては、昨年に英語民間検定試験や記述式問題の導入が見送られ、受験生が振り回された経緯がある。

 入試改革では「主体性を持って学ぶ態度」を重視し、一般選抜でも調査書の得点化が本格化するはずだった。スポーツ大会などの中止が相次ぎ、点数化を取りやめた大学もあるという。

 混乱が続く中で、受験生の実力を適切に評価する仕組みをいかに作るかが問われよう。