実証実験で栽培したキヌガサタケ(京都市伏見区)

実証実験で栽培したキヌガサタケ(京都市伏見区)

キヌガサタケを育てるほ場。キノコになる前の球形の菌蕾が至る所に顔を出している(伏見区)

キヌガサタケを育てるほ場。キノコになる前の球形の菌蕾が至る所に顔を出している(伏見区)

 高級食材のキヌガサタケを竹林の新たな収入源にしようと、京都市内の2カ所の竹林でJA支部や京都市などが栽培の実証実験に取り組んでいる。市によると竹林でのキヌガサタケの商用人工栽培は全国初といい、既に収穫されている。今後、効率的な栽培方法の確立や販路開拓を目指す。

 キヌガサタケはレースに覆われたような見た目が特徴で「キノコの女王」とも呼ばれ、主に夏の竹林で発生する。中華料理ではスープの具などに用いられる高級食材で、国内でも中国産の乾燥品が流通している。

 実証実験は京都市の委託事業。京都の重要な里山景観である竹林を持続的に管理するため、タケノコに続く新たな収入源の確保を目指す。

 伏見区深草地域ではJA京都市深草支部が、西京区大原野地域ではNPO法人「京都発・竹・流域環境ネット」が栽培する。キノコ栽培を手掛けるハルカインターナショナル(岐阜県郡上市)が菌糸や培地を供給する。

 伏見区深草地域では5月上旬に竹林内の約15平方メートルに菌糸を植え付けた。猛暑の影響で生育が遅れたものの、8月中旬から収穫が始まり、多い日では1日20本ほど採れるという。乾燥を避けるため遮光シートで覆い、水分補給などの管理を行ってきた。

 幼菌の状態から数時間で成長し傷みやすいため扱いが難しく、同支部の杉井正治さんは「もう1年ほど勉強して、管理しやすい栽培方法や加工法を確立したい」と話している。ハルカインターナショナルの野村克之社長は「生育は順調。京都市内は近隣に飲食店が多く、鮮度管理の点からも産地として適しているのではないか」とする。

 京都市は今後、市内の飲食店や大学と連携し、販路や活用方法を検討する。