新たに結成される野党の新代表に立憲民主党代表の枝野幸男氏が決まり、党名も「立憲民主党」が継承されることになった。

 現在の立民党、国民民主党などが合流し、衆参合わせて149人の勢力が誕生する。

 7年8カ月続いた安倍晋三政権の後継者となる自民党の新総裁も来週決まる。巨大与党に対峙(たいじ)し、政権を争える対抗軸を示すことができるか。今度こそ、野党第1党の真価が問われることになろう。

 新たな体制の下でどのような社会を目指すのか、その姿を分かりやすく国民に示してほしい。

 新党の綱領案では、自由と多様性を尊重し、人間が基軸となる共生社会をつくる-とうたう。

 過度な自己責任論に陥らず、公平な配分によって格差を解消することも盛り込んでいる。

 安倍政権の下で経済格差が拡大するなどのひずみが顕在化してきたとの認識に基づくものだろう。

 枝野氏は代表選を通じて、税体系の見直しによる所得再分配や、消費税率を期限付きでゼロにすることに言及した。こうした主張を、現実に即した政策として具体化させなくてはならない。

 代表選出後、枝野氏は「国民生活の現場にこそ足場がある」と述べた。各地に足を運び、多くの人の意見を聞き、生活者の視点に立った政策づくりを進めてほしい。

 党運営には透明性も不可欠だ。

 枝野氏は代表選の討論会で、議論して決まった方針に従わない場合は「毅然(きぜん)とした対応をとる」と述べた。旧民主党時代に内部抗争で政権運営がしばしば行き詰まった反省を踏まえてのことだろう。

 党内が一枚岩になれない印象を持たれては、国民の信頼を得られない。そのことは所属議員一人一人が自覚する必要がある。

 ただ、これまでの枝野氏のやり方にもトップダウンとの指摘がある。代表選を争った泉健太氏が「風通しのよい党運営」を訴えたことは真摯(しんし)に受けとめるべきだ。

 早期の解散総選挙が取りざたされている。野党間の選挙協力をどう進めるかは喫緊の課題だ。枝野氏は新党に参加しなかった玉木雄一郎氏ら新「国民民主党」結成を目指す議員とも連携する姿勢を示した。共産党などを含む従来の野党共闘を維持できるかも焦点だ。

 衆院選で野党が結束できなければ、巨大与党に打ち勝つことは難しい。勢力拡大はおろか、政権交代への道も開けない。

 そうした現実を踏まえ、野党間の協力体制を急がねばならない。