鎌倉-室町期の表情豊かな十王坐像や関連絵画が展示された会場(11日、京都市下京区・龍谷ミュージアム)

鎌倉-室町期の表情豊かな十王坐像や関連絵画が展示された会場(11日、京都市下京区・龍谷ミュージアム)

 商店街の一角にあり、地域交流の場として親しまれる「西七条えんま堂」(京都市下京区、正法寺七条別院)所蔵の名品を紹介する特集展示「西七条のえんま堂―十王と地獄の美術」が12日、同区の龍谷大龍谷ミュージアムで始まる。閻魔(えんま)王など十王の坐(ざ)像や関連絵画を展示し、日本人が培ってきた死後の世界のイメージを探る。

 十王は死後の世界で亡者の行き先を裁く「あの世の裁判官」とされ、後生のために十王を祭る思想が生まれた。西七条えんま堂は江戸時代には十王堂として多くの信仰を集めていたとされる。

 堂内にある11体の十王像は、龍谷ミュージアムの調査で鎌倉―室町期のものと分かった。異なる時代に作られたものを集めて祭っていたと考えられる。最古とみられる閻魔王は鎌倉期の作で、威厳ある顔立ちや力強い造形が際立つ。他の十王像も生き生きとした表情で、見応えがある。

 展示では、亡者の救い主として信仰を集める地蔵菩薩(ぼさつ)にも焦点を当て、絵画や彫刻類のほか、壬生寺(中京区)の仏具一式を使った地蔵盆飾りの再現、子どもたちが彩色したお地蔵さんも並ぶ。

 11月3日まで、有料。入館には予約が必要で、館ホームページから申し込む。